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文化遺産国際協力コンソーシアム シンポジウム「文化遺産保護を危機から救え~緊急保存の現場から~」を開催しました

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シンポジウム「文化遺産を危機から救え~緊急保存の現場から~」を開催しました。
2011年10月16日(日)に東京国立博物館平成館大講堂にて、一般の方々を対象に自然災害によって被害を受けた文化遺産の緊急保存に関するシンポジウム「文化遺産を危機から救え~緊急保存の現場から~」を開催しました。 開催に先立ち、文化遺産国際協力コンソーシアム(以下、コンソーシアム)会長石澤良昭より開会の挨拶が、コンソーシアム事務局長後藤多聞よりコンソーシアムについての紹介がありました。
基調講演には、文化庁長官近藤誠一氏をお招きし、東日本大震災による文化財被害状況と文化財レスキュー事業を中心に文化庁による復旧・復興事業についてご講演いただきました。文化芸術は人々の心の支えであり不可欠な存在であるとし、近年の傾向である科学技術等への過信を挙げ、日本が古来より自然と共存してきた経験に対する再認識が文化遺産保護に繋がると述べられました。
続いて、文化庁文化財鑑査官の大和智氏から、建造物を中心に日本の過去の文化財被害についてご報告頂き、東日本大震災での学会と連携した文化財ドクター派遣事業についてご報告頂きました。日本の被災文化財保護の経験は、被災文化遺産保護のための国際的取り組みにも協力できると述べられました。
国立民族学博物館准教授の日高真吾先生から、被災した文化財への支援事例を、東日本大震災における民俗文化財と、能登半島地震における文化財への支援を中心に、救済活動を8ステージに分類してご報告頂きました。また、被災時の全国規模の支援体制を構築すべき、という提言を頂きました。
東京外国語大学理事の宮崎恒二先生からは、その重要性にも関わらず救出の対象として優先度が低いという文字文化財の特質について述べられ、インドネシアのアチェ文字文化財への被害状況と支援活動事例についてご報告頂きました。緊急保存は機動的に、保存支援は持続的に支援を行う必要性があり、それにより被災地での自律的な保存・修復・研究体制の確立に繋がるとの展望をご発表されました。
海外からの講演者としてフランスのNGO である「国境なき文化遺産」代表のアンリ・シモン氏より、団体の設立趣旨である文化遺産への保護を通じた人道支援についてご報告頂きました。ハイチ地震の際の住民との連携を通じての被災文化遺産の救済が、個々のアイデンティティーの救済に通じた緊急支援の事例として紹介されました。
休憩をはさみ、「文化遺産への緊急対応の課題」と題した、パネルディスカッションを行いました。
急遽近藤長官もパネリストに加わって頂き、全講演者をパネリストとしてお迎えし、東京文化財研究所 文化遺産国際協力センター センター長川野邊渉氏の司会により進められました。会場から集まった質問を中心に意見交換して頂きました。
最後に、文化遺産国際協力コンソーシアム副会長前田耕作より閉会の挨拶があり、開催にご協力頂いた関係者の方々並びに当日参加者への御礼が述べられました。
※プログラムや開催概要はこちらをご覧ください。
ご参加くださいました皆様、そして開催にご協力ご尽力くださいました関係者の皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。 本当にありがとうございました。

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