文化遺産国際協力コンソーシアム(以下、コンソーシアム) 第9回研究会「文化遺産保護と経済開発協力との有機的連携を目指して」を以下の要領で開催いたします。ふるってご参加ください。
●開催趣旨
コンソーシアムではこれまで、経済開発協力連携ワーキン ググループを中心に、開発途上国に所在する文化遺産の保護のための国際 協力と、これらの国々に対する経済開発協力との連携の可能性について検討 してきました。これは、眼前の深刻な貧困や紛争のなか、人類にとってかけが えのない文化遺産が荒廃や破壊の対象になるような事態を回避する一方、文 化遺産保護と経済開発との両立を進めるにはいかなる努力が必要なのかを 議論するためでした。実のところ、文化遺産の保護に向けた国際協力と開発 のための経済協力という二つのベクトルは、開発途上国や紛争国の現場では 互いにあまり交わらず、時には相互にぶつかりあう事例さえも見られました。 ひとえにそれは、文化遺産保護と経済開発という二つのコミュニティの専門家 の間のコミュニケーションや、両者をつなぐ共通の理念の不在によるものと考 えられます。
そこで、今回の研究会では、文化遺産国際協力と経済開発協力とを結びつけ る理念として「人間の安全保障」に着目して議論します。これまで「人間の安全 保障」は日本の政府開発援助(ODA)を実施する際の重要な理念となってい ますが、文化にかかわる経済協力事業の文脈で用いられることはあまりあり ませんでした。一方、文化遺産の保護という観点と「人間の安全保障」理念と が結び付けられて議論されたこともほとんどなかったと言ってよいでしょう。 したがって、本研究会では、第一義的な途上国の経済の側面の議論にとどま らず、人々の尊厳の保護を重視する「人間の安全保障」の考え方を新たに導 入し、両者の有機的な連携を進めるための方策を模索していきます。
●名 称:文化遺産国際協力コンソーシアム 第9回研究会
『文化遺産保護と経済開発協力との有機的連携を目指して
-「人間の安全保障」アプローチの可能性』
●主 催:文化遺産国際協力コンソーシアム
●共 催:大阪大学大学院国際公共政策研究科/国立民族学博物館
●日 時:2011年7月11日(月) 13:30~17:00
●場 所:大阪大学 中之島センター 佐治敬三ホール
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53 - アクセスはこちら
≪プログラム≫
13:30-13:35 開会挨拶(川野邊渉 文化遺産国際協力センター センター長)
13:35-13:40 趣旨説明(関雄二 国立民族学博物館 教授)
13:40-14:05 「人間の安全保障の視点から見た文化遺産保護」
星野俊也 (大阪大学大学院 国際公共政策研究科 研究科長)
14:05-14:30 「文化遺産保護と村落開発」
関雄二 (国立民族学博物館 教授)
14:30-14:45 休憩
14:45-15:10 「経済協力と文化遺産~大エジプト博物館保存修復センター
に対する技術協力プロジェクトを事例として~」
林宏之 (国際協力機構 経済基盤開発部 都市・地域開発第一課)
15:10-15:35 「文化遺産と日本の政府開発援助(ODA)
~人間の安全保障の視点も交えて~」
植野篤志 (外務省 国際協力局 政策課長)
15:35-16:50 討論・質疑応答(司会:鈴木紀 国立民族学博物館 准教授)
16:50-17:00 閉会挨拶(大阪大学大学院 国際公共政策研究科 研究科長)
18:00- 懇親会(会費1000円)
本研究会のチラシは こちら をご覧ください。(PDFファイルがダウンロードされます) (809 KB)
参加を希望される方は、2011年7月7日(木)までに、下記申込フォームよりお申込みください。
※申込は終了いたしました。
http://www.jcic-heritage.jp/form/form.cgi
会員以外の方も参加歓迎です。是非お誘い合わせの上ご来場ください。