
STORY
文化遺産の保護を巡って、国境を超えた国際的な協力の必要性が世界に認識されるようになった大きなきっかけは、エジプトのアブシンベル神殿救済のための国際キャンペーンです。1960年代に、ナイル川上流でのアスワン・ハイダム建設にともなってアブシンベル神殿がダム湖底に沈むことになり、これを救うためにユネスコが世界に呼びかけて神殿救済のための国際キャンペーンを行いました。
その結果、アブシンベル神殿は安全な場所に移築され、水没を免れることができたのです。これをきっかけに人類共通の財産である文化遺産保護のための国際協力の必要性が認識されるようになりました。そして、この流れをうけ、1972年に「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」がユネスコ総会で採択されたのです。