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文化遺産国際協力コンソーシアムの中期的目標
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文化遺産国際協力コンソーシアムの中期的目標

西 和彦
文化遺産国際協力コンソーシアム事務局
東京文化財研究所文化遺産国際協力センター 国際情報研究室長
2021/03/30
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 あらゆる組織はそれぞれ達成すべき目標を持っています。それは短期的、すなわちそれぞれの年度の目標や、5年程度の中期の目標に分かれていることがほとんどです。文化遺産国際協力コンソーシアムも例外ではなく、5年間の「中期的目標」を設定し、それに基づいて活動しています。
 令和3年度は現在の中期的目標の最終年度に当たるため、コンソーシアムの企画分科会において、次の中期的目標がどうあるべきかといった議論を開始しています。この機会に、コンソーシアムの中期的目標とはどのようなものか、また、改定にあたってどのような議論が行われるのかについてご紹介したいと思います。

 そもそもコンソーシアムとは何を目的としている組織なのでしょうか。コンソーシアムのWEBサイトには、以下のように記述されています。
「2006年6月、「海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律」が公布・施行されました。この法律は、破壊や消滅など危機にさらされている海外の文化遺産を保護するために、日本に蓄積された知識、技術、経験などを活かした国際協力を推し進めていくことを定めています。この法律と同時に、協力をよりスムーズに推進するため、「文化遺産国際協力コンソーシアム(推進協議会)」が設立されました。以来10年に及び、コンソーシアムは文化遺産国際協力に携わる数々の主体(大学・研究機関、公的機関、国際協力支援機関、民間助成団体)を相互に結びつけ、日本の国際協力の進展に大きく寄与してきました。」
 より具体的には、「つなぐ」「しらべる」「あつめる」「つたえる」という四つの使命について、それぞれ「ネットワーク構築」「調査研究」「情報の収集と提供」「広報・普及活動」として様々な活動を行っています。

 そして、このような使命を実現するために、現在の中期的目標では以下の6つの目標を掲げています。
・国際貢献のための連携強化
・国際ネットワークの形成
・情報の集約と共有化
・専門的人材育成
・国内理解・関心の増進
・コンソーシアムの機能強化
 このような目標のもと、様々な活動を行っています。例えば、「国内理解・関心の増進」のために、一般向けのシンポジウムを開催している、などです。

 それでは、次の中期的目標を考えるにあたっては、何を考慮する必要があるのでしょうか。
 一つには、現在コンソーシアムが行っている事業を改めて見直し、できていること、まだ道半ばであることを再確認した上で、優先順位を付け直すことが必要です。もう一点重要なのは、コロナ禍の影響は言うに及ばず、世界各地で起こっている不安定な情勢の中で何がなし得るのかなど、現在の様々な状況に応じた活動を考えてゆく必要があります。このことは、海外の状況のみならず、国内での人材育成の問題など、長期的な視点に立った方向性を議論しなくてはいけません。あるいは、様々な新しいテクノロジーが文化遺産保護の国際協力にどのように影響を及ぼしているのか、その利点をどのように活かすことができるのかについての検討なども大きな課題です。

 こうした議論はまだ始まったばかりですが、例えば会員の皆さんとの連携をどのように強化してゆくのかなど、コンソーシアムの在り方そのものに及ぶ検討も必要です。
 次期中期的目標は、令和3年度中に策定する予定です。是非、幅広いみなさんのご意見を事務局までお寄せいただければと思います。


参考URL

○コンソーシアムの使命(コンソーシアムwebサイト)
○海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律(e-Gov法令検索)
○海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する基本的な方針(基本方針)(PDF)(コンソーシアムwebサイト)
○文化遺産国際協力コンソーシアム中期的目標(PDF)(コンソーシアムwebサイト)