古代エジプト、アブ・シール南丘陵頂部遺跡の保存計画に関する基礎的研究

事業名称
古代エジプト、アブ・シール南丘陵頂部遺跡の保存計画に関する基礎的研究
実施地域・国
エジプト
対象とする文化遺産の名称
アブ・シール南丘陵遺跡
地域
中東
文化遺産の分類
考古遺跡
事業実施機関
早稲田大学
期間
2000年 ~ 2002年
協力の種類・事業区分
マスタープラン作成、 学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

保存修復案策定のために、保存科学、岩石学、材料工学など多方面から各種の分析を試み、成果を挙げることが出来た。
保存科学の面から遺跡の保存環境理解のため、温度、湿度、風速、風向、日照量、降雨量の計測を行い、データが得られた。また、遺構の保存修復のため一部、薬品による試験を行った。
岩石学では、出土石材の同定と劣化原因を解明するため、当遺跡と周辺の遺跡の岩石学的な比較調査を行い、出土石材の同定と劣化原因に関する情報を得ることが出来た。
更に、材料工学、保存科学の視点から、エジプトにおける遺跡保存の現状を視察し、今後の保存修復案策定のための資料を得ることが出来た。
また、考古学、建築史学の分野でも大きな成果を挙げることが出来た。丘陵頂部の新王国時代の石造建造物、日乾煉瓦遺構の発掘を完了したことにより、遺構の詳細が明らかとなった。また、丘陵斜面の発掘により、石造建造物の建材、レリーフ片など、復原研究を大きく促進させるデータが得られた。なお、丘陵頂部の発掘調査が終了したことを受け、保存修復案策定までの期間、頂部の遺構の劣化を防ぐ保護作業を行った。
更に、丘陵斜面クリーニングの過程では岩窟遺構2基、石積み遺構が発見され、当丘陵を利用した遺跡の全体像と歴史的変遷の概要を知る手がかりとなった。これにより、丘陵頂部の遺構だけでなく、丘陵全体を視野に入れた包括的な保存修復の必要性が証明された。
今後は、これまで行ってきた調査の成果をもとに丘陵全体の遺構を歴史的背景を勘案した上で復原を考えることとしたい。一方、その中で出てくる保存修復案は慎重に議論していきたい。更に遺跡の保存修復と一般公開を視野に入れた整備、活用を一方では考える必要があろう。

地図

記事をシェアする

Facebookでシェア Twitterでシェア
Projects

当ウェブサイトでは、ウェブサイトの利便性向上のためにCookie(クッキー)を使用しています。Cookieの利用にご同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。「拒否する」を選択された場合、必須Cookie以外は利用いたしません。必須Cookie等、詳細はサイトポリシーへ