昨年度は、計測ノイズに対してロバストな三次元データの位置合わせアルゴリズムを設計・実装に取り組んだ。今年度は本研究課題で目標としている、文化遺産が崩壊して生じるセグメントをコンピュータグラフィックス上でつなぎ合わせる手法について考察してみた。セグメントが多数にわたることを考えれば、第一に注目すべき点はそれらの処理時間であるが、本研究課題における三次元復元は正確であることを最優先と考えているので、アルゴリズムが実用的な時間で計算可能である限り、正確な三次元復元を犠牲にする高速化は考慮しないこととする。次に注目すべき点はどれだけ自動化を可能にするかということであるが、正確に一致するセグメントと、その対応する面が既知である場合、その位置合わせの自動化は昨年度達成している。よって対応する面をどのように決定するかについて今年度模索してみた。その方法とは、セグメントの曲率情報を単位球上にマッピングしたSperical Attribute Image (SAI)に変換し、それらの間で部分的に一致する部分があるかどうかをマッチングするものである。これにより、セグメントの接合面を自動的に発見することができるが、現時点で全てのセグメント間でそのマッチングしなければならず、今後の課題としてはそのマッチングを理論的にどれだけ減らすことができるかということになるであろう。
今後の研究成果は、コンピュータグラフィックス、コンピュータビジョン、文化財科学の分野で発表し、またその内容の一部を博士論文として提出した。
三次元形状データを用いた文化財の復元
- 事業名称
- 三次元形状データを用いた文化財の復元
- 実施地域・国
- カンボジア
- 対象とする文化遺産の名称
- バイヨン寺院遺跡
- 地域
- アジア
- 文化遺産の分類
- 歴史的建造物
- 事業実施機関
- 東京大学情報理工学研究科
- 期間
- 2004年 ~ 2005年
- 協力の種類・事業区分
- 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費