以下の6つのサブテーマについて具体的な成果を得ることができた。1)29Si固体高分解能NMRによる埴輪胎土の分析。2)1HNMR-MOUSEによる紙材に含有される水の状態分析。3)吸着分子の吸着挙動で探る細孔構造。4)ESR分光法を用いた新しい文化財分析法と環境評価法の開発。5)埴輪の産地同定法の検討とその課題。6)マチカネワニ化石骨格のX線CT測定。
もともとが物理化学や地球科学を主たる専門とする分担者が果敢に異分野に挑戦したものであり、個別の研究ではある程度の業績を上げることができた。しかし、最も大きな障害となった点は、完全に非破壊で検査することができなかったために、面白い資料を入手できなかったことである。たとえば、大阪府教育委員会の文化財保護課の技師から大阪府下の古墳から出土した琥珀破片の分析依頼があったが、完全に非破壊で測定することができないために諦めざるを得なかったことがある。また、当初から概算要求し続けたNMRイメージング装置が導入できなかったことも非破壊での研究を困難にした。
いずれにせよ、このような文化財科学の手法開発研究は、4年というような短いタイムスパンではなかなか成果を出しにくい分野である。今後も、息長く挑戦し続けることが肝要であろう。本課題を遂行したことにより、十分にその下地はできたものと考えている。
固体高分解能NMRおよびESR分光法による新しい文化財分析法の開発
- 事業名称
- 固体高分解能NMRおよびESR分光法による新しい文化財分析法の開発
- 実施地域・国
- カンボジア
- 地域
- アジア
- 事業実施機関
- 大阪大学
- 期間
- 2004年 ~ 2007年
- 協力の種類・事業区分
- 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費