文化交流史の資料となるイスラーム時代エジプトの物質文化の研究

事業名称
文化交流史の資料となるイスラーム時代エジプトの物質文化の研究
実施地域・国
エジプト
対象とする文化遺産の名称
ラーヤ遺跡
地域
中東
文化遺産の分類
考古遺跡
事業実施機関
財団法人中近東文化センター
期間
2003年 ~ 2006年
協力の種類・事業区分
学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

本研究は、イスラーム時代エジプトの物質文化を文化交流史の資料とするための研究である。ラーヤ遺跡の発掘調査を実施し、新資料を多量に蒐集すると同時に、中近東文化センター・イスラーム・エジプト調査隊トゥール研究施設に保管されている遺物の研究を実施した。また、文化交流の道を明らかにするための岩壁碑文調査も実施した。
中国陶磁器、ラスター彩陶器、ガラス器、土製箱型香炉などを主な対象資料とし、様式分類と編年の確立に取り組んだ。これによって、イスラーム世界と外部世界の文化交流を物質文化の側面から明らかにする資料として重要であることが証明された。そして、シナイ半島南西部が6-7世紀はビザンティン文化圏、7-10世紀頃はイラク・シリア・パレスティナ文化圏、11世紀頃以降はエジプト文化圏に属したことが明らかとなった。また、7世紀以降、イスラーム世界に組み込まれるが、その中でキリスト教世界が十分に機能していたことも明らかとなった。
また、可搬式蛍光X線分析装置と可搬式蛍光X線回折装置によるガラスと陶器釉薬の分析を併行して実施した。分析試料数はガラス、陶器の釉薬とも100点を超え、地域と時代によるガラスと釉薬の化学組成の相違が明らかとなった。さらに、ガラスに関しては国内において年代が明らかなグラス・ウェイト資料400点を上記の分析機器、その他の高性能機器を用いて分析し、詳細なデータを集積した。これらの資料を総合して、初期イスラーム・ガラス史の基礎的編年を確立した。
今後は、物質文化のより詳細な研究を積み上げて、「モノ」の世界から見た文化交流の枠組みを構築する必要がある。

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