エジプト西方砂漠ハルガオアシスにあるアル・ザヤーン神殿西遺跡の解明

事業名称
エジプト西方砂漠ハルガオアシスにあるアル・ザヤーン神殿西遺跡の解明
実施地域・国
エジプト
対象とする文化遺産の名称
アル・ザヤーン神殿西遺跡
地域
中東
文化遺産の分類
歴史的建造物、 考古遺跡
事業実施機関
東京工業大学大学院情報理工学研究科
期間
2003年 ~ 2006年
協力の種類・事業区分
学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

1.地中レーダ探査結果に基づき10m×10mの大きさのトレンチを発掘した。出土した遺構は直径2mほどの窯のような構造の遺構と,それを切って作られ直角の壁を持つ遺構,その窯状遺構の北側に接した緩やかにカーブを描く日干しレンガの壁などである。この壁にそって,たくさんの完形の土器が置かれているのも発見された。この遺構の特徴として,完形品の土器の出土が多いことである。出土土器については,修復・整理作業も行った。ハルガ近郊のオアシスで出土した土器類と,比較検討した結果,現在までにこの遺跡で出土した土器類は,おおむねローマ期とりわけコプト期に属すると判断された。
2.遺跡周辺の踏査にて,過去に水が存在した痕跡や水路痕を発見した。いくつかの水路痕についてはGPS測量を行い地図上に記録した。この水路痕は神殿の西に2km以上も伸びていて,貯水池の痕跡や,耕作の痕跡も発見した。この遺構の年代は不明だが,アル・ザヤーン遺跡の環境復元やオアシスの水利用の歴史を明らかするために重要な遺構と思われる。
3.現在のアル・ザヤーン神殿の3次元デジタル記録を行い,建物の構造についてはほぼ記録できた。さらに新しい試みとして,発掘過程の3次元デジタル記録も試みた。
4.採取した堆積砂の理化学分析を行い,アル・ザヤーン神殿をとりまく環境の復元を試みた。堆積砂は貫入式硬度計の波形からPlaty, Root, Hard, Coarse, Sticky, Field, Wet, Dumpの8つに分類することができた。採取試料のpH(H_2O),電気伝導度,粒形組成,水抽出陽イオン,鉄の形態分析,ケイ素・アルミニウム含量,土壌有機物量等の結果と現地調査に基づく堆積砂の分類結果とは興味深い対応がみられた。各地点の特徴の比較によってアル・ザヤーン神殿の西部地域では,かつての植生や水があった環境から現在の乾燥した状態へ移行したことが推定された。
5.この成果を世界に発信するために,英文の「El-Zayyan 2003-2006」という調査報告書を発行した。

地図

記事をシェアする

Facebookでシェア Twitterでシェア
Projects

当ウェブサイトでは、ウェブサイトの利便性向上のためにCookie(クッキー)を使用しています。Cookieの利用にご同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。「拒否する」を選択された場合、必須Cookie以外は利用いたしません。必須Cookie等、詳細はサイトポリシーへ