我が国における考古地磁気学的研究は1950年代末に始まり、約半世紀の歴史がある。その間に蓄積された考古地磁気測定データは膨大な数にのぼるのが、それらの殆どが遺跡の発掘調査に伴って試料が採取され、測定結果はそれぞれの発掘調査報告書に掲載されているため、まとまったデータベースは存在しなかった。本研究ではそれら散在している考古地磁気データを中世のもの中心に出来る限り収集し、データベースの作成を試みた。しかし、日本各地の遺跡の時空分布には大きな偏りがあり、中世の遺跡がほとんどない地域も見られ、収集データの時代分布は、縄文時代から近世にまで亘ることになった。また、九州南部、四国、東北・北海道などデータが極端に少ない地方と、北陸・東海地方などデータの過半数を占める地方とに分かれた。
結果として、2,500を超えるデータを収集することが出来たが、上述のように、地域的な偏りと時代的な偏りを解消することは出来なかった。少しでもこれらの偏りを軽減するために、奄美地方喜界島の焼土遺構や、静岡県内の須恵器窯(衣原古窯、入野高岸1・2号窯)や中世古窯(篠原1・2・3号窯・すやん沢古窯)のサンプリングを行った。また、より確実な地磁気変動を明らかにするために、多くの測定データが得られている大府市内の山茶碗の古窯跡群(石亀戸1.2.3号窯、砂原古窯、深廻間A1・2号窯、B1・2・3号窯、C1・2号窯、瀬戸B1・2・3・4号窯、C1・2・3号窯、久分2・3・4・5号窯)でもサンプリングを行った。
さらに、東アジアの考古地球磁場分布を明らかにする基礎データを得るために、カンボジア王国の中世のクメール陶器窯について、昨年度と今年度の2度にわたる調査・試料採取旅行を行った。これらのデータによって、東アジアの中世の地球磁場分布の解明が期待される。
東アジアにおける中世古窯の考古地磁気データベースの作成とそのデジタル化
- 事業名称
- 東アジアにおける中世古窯の考古地磁気データベースの作成とそのデジタル化
- 実施地域・国
- 複数国/地域横断
- 地域
- アジア
- 事業実施機関
- 大谷女子大学
- 期間
- 2004年 ~ 2005年
- 協力の種類・事業区分
- 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費