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シンポジウム「文化遺産国際協力のかたち―世界遺産を未来に伝える日本の貢献―」を開催しました(2018.10.23)

 

文化遺産国際協力コンソーシアム、および文化庁は2018(平成30)年108日(月・祝)、大手町・日経ホールにて、シンポジウム「文化遺産国際協力のかたち―世界遺産を未来に伝える日本の貢献―」を開催しました。

昨今、文化遺産をどう守り、活用していくのか、世界各地で大きな課題となっています。ユネスコ世界遺産条約の理念に代表されるように、国境を越えた文化遺産保護の取り組みも盛んに行われており、我が国も国内で培った文化遺産保護の技術やノウハウを活かして、世界各地で様々な国際協力事業を展開しています。

本シンボジウムは、日本が海外で行なう様々な文化遺産国際協力の最新の取り組みについて、研究者および実務者の視点から紹介し、文化遺産分野における日本の国際協力の性格や特色、そして現在直面している課題を明らかにするとともに、将来に向けたより良い国際協力のあり方を議論することを目的として開催されました。

シンポジウム冒頭では、青木繁夫氏(文化遺産国際協力コンソーシアム副会長/東京文化財研究所名誉研究員)より開会挨拶・趣旨説明が行なわれました。

基調講演では青柳正規氏(文化遺産国際協力コンソーシアム会長/東京大学名誉教授)が登壇し、ユネスコ世界遺産条約誕生の理念と背景に触れ、国づくりにおける文化の重要性について言及しました。その一方で、技術革新やグローバリゼーションにより、急速に社会が変化しつつある中、我々は残すべき文化遺産を取捨選択する必要性にこれまで以上に迫られることとなり、またどのようなかたちでそれらを継承するのか、今後新たな指針が求められることになると問題提起しました。

講演1では、丸井雅子氏(上智大学グローバル学部グローバル学科教授)に、上智大学が進めるアンコール遺跡での人材養成プログラムを中心に、カンボジアにおける日本の協力事業についてお話しいただきました。20年以上にわたって実施されている同プログラムを通して、カンボジアでは若い世代の専門家が着実に育ちつつあり、これらの実績と経験が評価され、カンボジアモデルとして他のアジア諸国へと発信されるようになっています。

講演2には、坂井正人氏(山形大学学術研究院教授/山形大学ナスカ研究所副所長)をお迎えし、山形大学ナスカ研究所がペルー文化省と共同で進める世界遺産ナスカの地上絵の保護活動と学術研究についてご講演いただきました。山形大学のチームは学術調査により、ナスカの地上絵の制作の年代と方法・目的に関する新たな知見を提供する一方、近年は地上絵を保護するための手法確立を目指して、保存科学分野の実験を行なっていることが紹介されました。

講演3では、荒仁氏(国際協力機構社会基盤・平和構築部都市・地域開発グループ長)より、JICAによる大エジプト博物館への国際協力プロジェクトが紹介されました。このプロジェクトは博物館建設だけではなく、文化財保存修復分野での人材養成も主眼に置いており、講演の中ではそれらの具体的な研修の内容が紹介されました。近年開発分野で重要な概念となっているSDGs(持続可能な開発目標)と文化遺産保護の関係についても言及されました。

講演4では、山内和也氏(帝京大学文化財研究所教授)より、2001年にターリバーンによって破壊されたアフガニスタン・バーミヤーンの文化遺産に対する国際社会による保護活動とその成果、その中で日本が果たしてきた役割が紹介されました。アフガニスタンの治安情勢の悪化に伴い、現地での活動が困難となる中で、アフガニスタンの専門家と日本の専門家が協働する機会を生み出すための国内での新たな体制作りが必要であることが強調されました。

パネルディスカッションでは、松田陽氏(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)の司会のもと活発な議論が展開されました。日本の文化遺産国際協力の特色を明らかにするために、まずは各事業の強みや、直面している課題、他国の事業との相違点が整理されました。また、日本国内において次世代の国際協力に携わる人材をいかに育成するのか、その際に想定される制度上の課題をどう解決するのかといった話題についても話が及びました。

最後に、岡田保良氏(文化遺産国際協力コンソーシアム副会長/国士舘大学イラク古代文化研究所教授)が閉会挨拶を行いました。

当日は会場ホワイエにて、「文化遺産国際協力事業紹介」と題したパネル展示とスライドショーの上映を行い、講演の中では取り上げられなかった国際協力の事例や、関係する機関の活動について紹介しました。

 

当日は200名を超える方にご参加いただきました。

シンポジウム開催に際し、ご協力くださいました関係者の皆様、ならびにご参加くださいました皆様に御礼申し上げます。

 

 

 

【写真説明】(上から)

1:青木繁夫氏による開会挨拶・趣旨説明の様子

2:青柳正規氏による基調講演の様子

3:丸井雅子氏による講演の様子

4:坂井正人氏による講演の様子

5:荒仁氏による講演の様子

6:山内和也氏による講演の様子

7:パネルディスカッション司会の松田陽氏

8:パネルディスカッションの様子

9:会場ホワイエでのパネル展示「文化遺産国際協力事業紹介」の様子1

10:会場ホワイエでのパネル展示「文化遺産国際協力事業紹介」の様子2

 

 ※シンポジウムの開催概要・プログラムについては、こちらをご覧ください。

 

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