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西トップ遺跡の調査と保存

Survey and conservation of the Western Prasat Top Site 西トップ遺跡の調査と保存

奈良文化財研究所

カンボジア王国

西トップ遺跡

2011年〜継続中 基礎研究,保存修復,人材育成
2014/04/01
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BACKGROUND背景

カンボジアにおける文化協力

事業の経緯
 カンボジアにおいては1992年の内戦完全終結を受けて国内の復興が進むにつれ、アンコール遺跡群の保存修復が急務となった。当該遺跡群は1992年に世界遺産に登録されると同時に危機遺産にも登録された。国際的な協力を得て1993年から各国がアンコール遺跡群の保存と修復を開始しました。奈良国立文化財研究所も1993年から文化庁の委託を受けて人材養成を中心とした共同研究事業を開始し、独立行政法人となった後も、研究所独自の国際協力事業として事業を調査修復に拡大して継続している。

遺跡の概要
 アンコール遺跡群はカンボジア北西部に位置し、中心に位置するアンコール・ワットやアンコール・トムが有名である。本事業においては当初バンテアイ・クデイ遺跡での調査を行っていたが、タニ窯跡群の調査保存事業を経て、2001年からアンコール・トム内西トップ遺跡の調査を開始した。西トップ遺跡では9世紀末の碑文が発見されているが、調査によって14世紀から15世紀に今見る形になったと考えられている。2011年からの第3次中期計画では南祠堂の解体修復を開始し、現在下成基壇の解体を進めている。

               西トップ遺跡 調査前

ACTIVITIES活動内容

西トップ遺跡の調査と修復

事業の経緯
 2001年から西トップ遺跡の調査を2期10年間の予定で継続していた2008年5月、中央祠堂頂部の石材40余個が落下した。これによって中央祠堂全体が不安定になり、急遽、足場資材で12月にサポートを入れた。この状態で長期間経過することは、遺跡の保存と美観の上から好ましいことではなく、現地文化財保護組織であるアプサラと協議の上、解体修復を行うことに決した。

事業計画と協力者
 2010年までの間に研究所をはじめとする関係諸方面との調整を行い、2011年度から解体修復を開始した。さらに解体に伴って多くの事実が明らかになることから、解体と同時に十分な調査を行うこととし、事業の名称を「西トップ遺跡の調査修復」とした。当該事業には奈良文化財研究所を始め、文化財保護振興財団、朝日新聞社、(株)タダノや、石造遺跡の修復に多大な経験を有する左野勝司氏などの協力を得て行っている。

西トップ遺跡の解体修復

西トップ遺跡 サポートと解体前の南祠堂

RESULTS結果

西トップ遺跡調査修復の今後

 第3次中期計画の2011年から2015年までの間に、南祠堂と北祠堂の解体修復を終え、成果をまとめるとともに、次の第4次中期計画の2016年から2020年の5年間で中央祠堂の解体修復を終了する予定である。
 調査修復に関しては、これまでも多くの諸外国の調査隊が他の遺跡での実績を積んでおり、基準とすべき調査手法が確立している。今回の修復に当たってもその基準をより普遍化された内容として実践するとともに、今後の持続的な調査修復のために、組織や事業進行のノウハウを蓄積するとともに、カンボジア人スタッフによる持続的な遺跡修復への一助となれば幸と考えている。

南祠堂の発掘

西トップ遺跡の解体修復

MAP地図