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第22回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「文化遺産のリコンストラクションに関する世界動向」を開催しました(2018.04.02)

2018216日(金)、TKP市ヶ谷カンファレンスセンターにおいて、第22回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「文化遺産のリコンストラクションに関する世界動向」を開催しました。

 

本研究会は、紛争や自然災害で破壊された文化遺産のリコンストラクションについて、国際社会はどのように評価し、ルール作りを行っていくのか、世界各地の事例を参考にしながら今後の展開を考えることを目的に開催されました。

 

研究会の冒頭で石澤良昭文化遺産国際協力コンソーシアム会長より開会挨拶が行われた後、最初の講演では、「リコンストラクションに関する最近の国際動向とイコモスの取り組み」と題して、国際イコモス会長の河野俊行氏が登壇しました。イコモスが取り組んできた紛争や自然災害で破壊された文化遺産のリコンストラクションに関するガイダンス文書作成事業の概要及びその経緯が説明されるとともに、その後に文化庁の支援を得て進めている、各国のリコンストラクションに関する事例を先例集として体系化するためのマトリックス作成事業の概要について報告が行われました。

 

河野氏の報告を受け、その事例調査部分について、東京文化財研究所のアレハンドロ・マルティネス氏、東京大学の森朋子氏より報告が行われました。アレハンドロ氏の報告では東日本大震災で被災した福島県専称寺と、同じく地震で被災したイタリアのヴェンゾーネ教会の復旧事業が取り上げられ、復旧における両者の共通点(災害発生前の詳細記録、伝統的建築材料・技術の残存等)が指摘されました。森氏の報告では、伝統的建造物群保存地区に焦点があてられ、東日本大震災被災の千葉県香取市佐原地区、九州北部豪雨被災の福岡県うきは市新川・田篭地区、能登半島地震被災の石川県輪島市黒島地区、海外事例としてはチリ共和国のバルパライーソの歴史的街並みの復旧が取り上げられ、重要な被災建造物の公有化による修理、デザインガイドラインの策定等の共通点が指摘されました。

 

帝京大学の山内和也氏からは、「バーミヤーン会議での成果と今後の課題-バーミヤーン大仏の将来-」と題して、2017年927日~102日にかけて東京藝術大学で開催された国際専門家会合とシンポジウムの報告が行われました。特に、会合の場でドイツチーム、イタリアチーム、日本チームから提案された東大仏の再建に関する技術的な提案内容についての詳細や、これを受けたアフガニスタン政府や地域住民との議論の概要が報告されました。

 

ディスカッションでは、東京文化財研究所名誉研究員の青木繁夫氏司会のもと、来場者席から受け付けた質問に報告者4名が答える形で議論が展開されました。文化遺産の普遍的価値や真正性の概念、イコモスガイダンス文書の位置づけ、バーミヤーン大仏再建に伴うアナスティローシスの可能性、ステークホルダーの関与の仕方、平時と災害後の修復・再建事業の違い、ケーススタディの比較分析の方法、社会の文脈上におけるリコンストラクションの定義づけの難しさなどが取り上げられ、本テーマが持つ課題の多さが浮彫りになりました。

 

最後に、前田耕作文化遺産国際協力コンソーシアム副会長が登壇し、今回の研究会の総括と閉会挨拶が行われ、盛況のうちにプログラムが終了いたしました。

今回の研究会では約100名の参加者がありました。開催にあたり、関係者の皆様、並びにご参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。

 

 ※プログラムや開催概要はこちらをご覧ください。

 

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