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特別講演会「ミャンマーにおける文化遺産保護の現況と課題」を開催しました

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2016年9月26日、東京文化財研究所セミナー室にて特別講演会「ミャンマーにおける文化遺産保護の現況と課題」(文化庁、国際交流基金アジアセンターと共催)を開催しました。
本講演会は、前日の文化遺産国際協力コンソーシアム設立10周年記念シンポジウムに登壇したニュン・ハン氏(東南アジア教育大臣機構考古学・美術センター上級研究員)の来日を記念して企画されました。講演では、38年間ミャンマー各地で文化遺産の調査や保護にかかわってきた同氏の経験をもとに、近年のミャンマーでの文化遺産の保護活動と課題についてお話しいただきました。
講演の前半では、ミャンマーにおける文化財保護体制の説明の後、2014年にミャンマー初の世界遺産となったピュー古代都市群とバガン遺跡がかかえる課題が紹介されました。ピュー古代都市群にある文化遺産では、豪雨や湿気によるカビ、苔の発生や石造彫刻の摩耗の問題や、農耕、牧畜、都市化による影響と行政による保護活動が紹介されました。バガンでは洪水、川の氾濫、植物による被害、盗掘、観光客の増加、都市の拡大、不法侵入、新たなインフラの設置や度重なる地震の影響により、保全の面で多くの課題を抱えていることが説明されました。
講演の後半では、2016年8月24日に発生したマグニチュード6.8のミャンマー中部地震による、バガンにおける文化遺産の被災状況が伝えられました。ニュン・ハン氏は被災した文化遺産を1)深刻な被害を受けた建造物、2)上部構造のみ損壊した寺院、3)1990年代以降に建造された部位が損壊した建造物、4)先端部が損壊したストゥーパ、5)壁画の損壊、の5種類に分類し、それぞれの被災状況を分析しました。また、地震後、行政による地上および上空からの調査や、民間団体や地元住民による復興にむけた取組みが紹介されました。そして最後に、長期にわたる復興に向け、日本の人材や技術面での支援が期待されていることが強調されました。
講演後の質疑応答では、バガン遺跡の復興に向けた活動のあり方を中心に、参加者と意見が交わされました。

【写真説明】(上・下)
講演を行うニュン・ハン氏

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