歴史的カイロ(旧市街)には、10世紀以来の歴史的建造物と、都市生活を通して築かれた伝統的居住様式が存在する。1979年に世界遺産に指定され、ムバラク時代にはムイッズ通りの保全も行われた。しかし歴史的建造物の観光利用の促進は、住民生活からの乖離を引き起こした。カイロの人口増大と市域拡大にともなって、富裕層は旧市街周辺から新市街へと移住し、貧困層が流入した。加えて、2011年のエジプト革命以来、不法建築が立つなど、旧市街は大きく変容しようとしている。本来、歴史的建造物や伝統的居住様式は、住民やその集合としてのコミュニティにとってのアイデンティティーとなり、コミュニティと共存しながら現代的変容に即して利用され、かつ次世代へと継承されるべきものである。歴史的カイロとその周辺においてはその構図がいまだ見いだせていない。本研究においては、住民のワーキンググループを作成し、日本に蓄積された文化遺産保全(歴史的建造物と伝統的居住様式を含む)の知恵と実践を利用し、都市政策や指定遺産保存等の公的枠組みと照らし合わせながら、文化遺産と共存する新たなコミュニティのあり方を住民とともに考えていくものである。
歴史的カイロにおいて歴史的建造物と伝統的居住様式を軸として持続的コミュニティを考える
- 事業名称
- 歴史的カイロにおいて歴史的建造物と伝統的居住様式を 軸として持続的コミュニティを考えるプロジェクト
- 実施地域・国
- エジプト
- 対象とする文化遺産の名称
- カイロ旧市街
- 地域
- 中東
- 文化遺産の分類
- 都市・町並み
- 事業実施機関
- 日本学術振興会カイロ研究連絡センター
- 期間
- 2015年 ~ 2015年
- 協力の種類・事業区分
- 意識啓発・普及活動
- 資金源
- 民間財団