西アジア型初期食料生産経済の北方への波及プロセス

事業名称
西アジア型初期食料生産経済の北方への波及プロセス
実施地域・国
アゼルバイジャン
地域
欧州
文化遺産の分類
考古遺跡、 考古遺物・美術品・歴史資料
事業実施機関
東京大学
期間
2012年04月 ~ 2017年03月
協力の種類・事業区分
学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

本研究は、西アジアに起源する最古の農耕牧畜経済が北方に拡散した過程をアゼルバイジャンにおける実地調査によって解明することを目的とする。平成24年度は、次のような研究をおこなった。

(1)野外調査。7月から8月にかけてギョイテペ遺跡と ハッジ・エラムハンル・テペ遺跡を発掘した。前者は、当地新石器文化発展期の長大な層序を有する遺跡である。深堀りと広域発掘を組み合わせ、集落の構造、道具、食性などの時期的変遷を調べた。一方、 ハッジ・エラムハンル・テペは新発見の遺跡である。試掘をおこなった結果、ギョイテペ遺跡よりもさらに古い、前6千年紀最初期にまでさかのぼる南コーカサス地方最古の新石器時代遺跡であることが判明した。早速、成果をとりまとめ学術誌に投稿した。さらに、周辺地域を踏査し、これらの遺跡群を当地の歴史地理的コンテキストに位置づける試みもおこなった。

(2)標本調査。出土した土器、石器、動物骨、植物骨などを多面的な角度から分析した。特に成果があったのは黒曜石の産地分析である。アゼルバイジャン国において本格的な産地同定がなされた初めての研究成果となる。また、ハッジ・エラムハンル・テペとギョイテペ出土遺物を対象として、農耕牧畜経済が定着していく様について詳細な比較研究を開始した。

(3)成果公開。調査の成果をアゼルバイジャン市民に伝えるべく、現地国研究者とともに解説小冊子を作成した。また、ギョイテペ遺跡を保存、公開する仕組みを構築する取り組みをおこなった。

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