フリーア美術館(米国)所蔵日本画修復のための材料調達

事業名称
フリーア美術館(米国)所蔵日本画修復のための材料調達
実施地域・国
アメリカ合衆国
対象とする文化遺産の名称
フリーア美術館
地域
北米
事業実施機関
フーリア美術館
期間
2010年 ~ 2013年
協力の種類・事業区分
資金提供、 保存修復
資金源
民間財団

活動内容

フリーア美術館は、1923年にスミソニアン・インスティテューション初の美術館として設立され、日本の作品は、奈良から明治初期まで約6,000点を所蔵し国宝級の美術品が多い。

2010年度:以下の作品2点を対象とし、修復に必要となる特殊な和紙と裂の調達を助成する。 「臨済義玄像」は、作者不詳であるが、室町時代の掛軸で、詞書は大徳寺126世一凍紹滴(1533~1606)によるもの。「酒呑童子絵巻(3巻)」も、作者不詳であるが、17世紀の江戸時代の狩野派の絵師による優れた作品。本美術館には、専用の修復室があり修復師も擁しており、修復作業はフリーア美術館自らが行う。

2011年度:以下の2作品の修復に必要な特殊な和紙と裂(きれ)の調達を助成するものである。「普賢菩薩図」(写真)の作者は正統な修行を積んだ仏画師。13~14世紀頃の中国禅水墨画の影響がよく表れている。「鍾馗(しょうき)図」は、18世紀前半の狩野派の絵師による可能性が高く、精緻なタッチと贅沢な色使いが中国の影響を表している。2点とも経年による劣化を起こしており、修復の上、掛け軸に仕立て直す。修復作業は、当美術館自らが行う。

2012年度:以下の作品3点を対象とし修復に必要となる特殊な和紙と裂(きれ)の調達を助成するもの。
 ① 「高峰原妙禅師図」(写真)仲安真康筆、紙本墨画、15世紀中頃
 ② 「蟹図」葛飾北斎筆、絹本著色、1825~1830年
 ③ 「南瓜蔓と虻図」葛飾北斎筆、絹本著色、1860年頃
 3点とも経年による劣化を起こしており、修復の上、掛軸に仕立て直す。修復作業は、当美術館自らが行う。

2013年度:以下の作品2点を対象とし修復に必要となる特殊な裂(きれ)などの材料調達を助成するもの。
①「白衣(びゃくえ)観音図」(写真)は、15世紀、室町時代 の作品。深い渓谷に突き出る岩棚の上で瞑想する白衣観音。 背景には、渓谷に流れ落ちる滝。書画的な筆使いが宋王朝の 影響を思わせる。
②「波濤図」 は、葛飾北斎88歳の作。構図、精緻な筆使い、彩色など北斎 の特徴をよく表している。
 2点ともに過去に行われた不適切な処置により色落ちや変色、シミ等が多数生じているため、修復の上、掛軸に仕立て直す予定。修復作業は、フリーア美術館自らが行う。

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