1989年のユネスコによる「伝統的文化及び民間伝承の保護に関する勧告」の採択以降、政治的、経済的、社会的、文化的状況は世界的に大きく変化しました。本勧告の採択やユネスコの無形文化遺産事業の進展にも関わらず、無形遺産に関する様々な課題が提起されました。それらに対処するためユネスコは1995年から1999年にかけて、1989年勧告の実施を評価するため8つの地域セミナーを開催しました。これらの結果に基づき、ユネスコはスミソニアン研究機構と協力して、無形遺産保護の見直し、1989年勧告の妥当性の評価、さらにユネスコ事業の方向性を定めることを目的とし、国際会議を開催しました。
会議の結果、参加者たちは、法的拘束力を持つ文書を作成する必要性に合意しました。また、1989年勧告は、研究や記録作成に焦点が当てすぎている反面、生きた慣習や伝統の保護や、それらの慣習や伝統を担う集団や社会に十分に焦点が当てられていないという問題点を確認しました。さらに、加盟国による無形遺産保護のための具体的な事業の展開を支援するために、国際的かつ学際的な専門家ネットワークを設立する必要性があることを認識しました。この結論はユネスコ事務局長に提出され、事務局長は本件を加盟国に伝達しました。その結果、第31回総会(2001年)において、新しい国際的な法的文書(可能であれば条約)の作成に向けて作業を行うことが決定されました。
「伝統・民族文化の保全に関する勧告」実施に関する世界会議
- 事業名称
- 「伝統・民族文化の保全に関する勧告」実施に関する世界会議
- 実施地域・国
- アメリカ合衆国
- 地域
- 北米
- 事業実施機関
- ユネスコ
- 期間
- 1999年06月 ~ 1999年06月
- 協力の種類・事業区分
- 保存修復
- 資金源
- UNESCO 日本信託基金
活動内容
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