[1999]
今年度は計画に従い,以下の3つの項目について実施した。
1)インド・ヒンドゥー宮殿に関する文献及び平面図や断面図を中心とした建築データの収集:インドのヒンドゥー宮殿に関わるデータの収集については、現在入手可能で、名古屋大学に所蔵されていない関連文献を購入し、現在のみならず、将来的な資料の充実を図った。また、平成11年12月26日から平成12年1月7日にかけて行ったインド調査考古局及びグワリオール・ジワジ大学の現地研究者との意見交換の際にも所蔵図面のコピーの存在を確認し、その図面の内入手可能のものを取り寄せ、収集した。
2)インド調査考古局をはじめとする現地研究者との意見交換:先述のように平成11年12月26日から平成12年1月7日にかけて、中世のヒンドゥー宮殿が遺るマッディヤ・プラデーシュ州の現地研究者と意見交換を行うために渡印した。訪問先はウッジャイン・ヴィクラム大学教授Dr.S.Pant女史、インド調査考古局ボーパール支局局長Dr.P.K.Mishra氏の、グワリオール・ジワジ大学上級講師(Reader)Dr.R.A.Sharma氏であり、それぞれヒンドゥー宮殿の特徴や建築基準書の内容との関係についての研究状況とその位置づけについてアドバイスを得るとともに、研究全体の方向性についての意見を得た。特にDr.Mishra氏にはインド考古調査局という文化遺産の研究や管理を行っている機関ゆえの、実測図面の所在についての貴重な情報を得た。
3)インド・ヒンドゥー宮殿建築の形態の把握と空間及びデザインの評価:残存する遺構のうち最も古いものの一つであるグワリオール宮殿の空間形態の特徴把握について、中庭を中心としたデザインについて特に着目してデータ整理をした。その内容については日本建築学会2000年度大会学術講演会にて発表準備中である。
[2000]
本課題2年目の今年度は計画に従い,前年度で整理されたデータを基とし,更にネパールをはじめとする周辺の歴史的な王宮建築に視野を広げて,インド建築としての特徴を考察するとともに,これまでの研究対象である宗教建築の特徴との関連について考察することを目標とし,具体的には以下の2つの項目について実施した。
1)インド周辺地域の宮殿建築およびインド・イスラム宮殿の特徴を把握:インドの宮殿建築と比較考察する上で必要なネパール及びインド・イスラーム宮殿のデータを,国内においては文献調査及び東洋文化研究所の「中東の都市空間と建築文化」研究会に参加・研究発表を通して,国内外のイスラーム建築研究者と意見交換を通して収集した。海外実地調査は平成12年12月26日〜平成13年1月10日にかけてネパール及びインドで行い,ネパールの王宮(カトマンズ,パタン,バクタプル),インド・イスラームの宮殿(アーグラ,ファテープル・シークリー)に関する情報を収集し,分析した。さらにネパールについては国内の各研究者との意見交換を行い,両者のデザイン上の関係を把握した。
2)宗教建築のデザインとの比較を通してのインド宮殿建築の形態の位置づけ:入口や柱頭装飾などの特徴を整理し,寺院建築をはじめとするインドの伝統的な建築との比較を通して検討した。
なお,残存する遺構のうち最も古いものの一つであるグワーリオール宮殿の空間形態の特徴把握について前年度得た図面データや調査結果を加え,2000年度日本建築学会関東支部研究発表会にて報告した。
インド中世の宮殿建築の形態に関する研究
- 事業名称
- インド中世の宮殿建築の形態に関する研究
- 実施地域・国
- 複数国/地域横断
- 地域
- アジア
- 文化遺産の分類
- 歴史的建造物
- 事業実施機関
- 名古屋大学大学院工学研究科
- 期間
- 1999年 ~ 2000年
- 協力の種類・事業区分
- 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費