国際学術研究 学術調査 美術史
発掘調査対象は、ロ-マの北西約100kmに位置するタルクイニア郊外、ティレニア海に面する海岸に立地するロ-マ時代の別荘遺跡である。
遺跡の範囲は5000m^2を超えるものと推定される。発掘は、この範囲の中央付近で行い、3年間を通じておよそ800m^2を調査した。
発掘調査は、95〜97の各年度の、7月から10月にかけての概ね3ヶ月の期間実施した。
調査によって、当時の別荘としては大規模な回廊、それに囲まれた中庭、回廊の周りに配された部屋など、別荘の中枢と推定される部分が明らかになった。
この遺跡は大きく以下の五時期に区分できる。
第1期、紀元前1世紀頃と推定される一連の壁体が検出された。
第2期は、紀元前1世紀の末から紀元後2世紀の初頭に比定され、回廊を中心とする建物の基本的ブランが確定した。
第3期は、4世紀頃に比定される。規模と基本的レイアウトは踏襲されるが、周囲の部屋のレイアウトは改められ、多色の大理石を用いた内装となった。
第4期は、4世紀末から5世紀初頭に比定される。大規模な改修作業が、中断されていることから、別荘はこの時期に放棄されたものと考えられる。
第5期は、中世以降の二次的利用をまとめたものである。
また、主要な建物以前の遺構として、紀元前1世紀を上限とする井戸や竈(あるいは窯)なども確認された。
現在までに採集された遺物は、およそ20m^3にのぼる。その内容は、土器片、建築部材を中心に、青銅貨、ガラス製品、骨角製装飾品、各種金属製品など多岐にわたり、現在鋭意整理中である。
調査範囲が限られていることもあり、現在までのところ歴史的に当地周辺に比定されている宿場""Quintiana""との直接の関係を示す成果は得られていないが、当該期における当地周辺地域の社会的、経済的位置づけを知る上での多くの有益な資料が得られた。遺物の整理結果も併せて、今後、成果報告の刊行を予定している。
イタリア中部の古代ローマ美術・考古学調査2
- 事業名称
- イタリア中部の古代ローマ美術・考古学調査2
- 実施地域・国
- イタリア
- 地域
- 欧州
- 文化遺産の分類
- 考古遺跡
- 事業実施機関
- 東京大学
- 期間
- 1995年 ~ 1997年
- 協力の種類・事業区分
- 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費