古代中央アジアにおける仏教文化の年代と伝播経路に関する研究

事業名称
古代中央アジアにおける仏教文化の年代と伝播経路に関する研究
実施地域・国
複数国/地域横断
地域
アジア
文化遺産の分類
考古遺跡、 考古遺物・美術品・歴史資料
事業実施機関
東京文化財研究所
期間
2005年 ~ 2006年
協力の種類・事業区分
学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

 本研究の目的は、中央アジアにおける仏教文化の時期と伝播経路を明らかにすることである。平成17年度の研究において、すでに出土遺物や遺構のデータを集成し、遺跡の時期を特定するデータをそろえることができた。今年度は、これらのデータを総括し、これまで研究代表者が行ってきた土器の編年について、新たなデータを加えることができた。それは、創価大学のダルヴェルジン・テパ(ウズベキスタン)出土資料の放射性炭素年代測定であり、これによって、一部クシャーン朝期とされてきた土器の年代が4世紀後半にまで下がることが確認され、研究代表者の年代観を証明することができた。それに従えば、一部の仏教遺跡は、5世紀まで継続せず、4世紀後半で廃絶することとなる。
 さらに、バーミヤーン遺跡の壁画に見られる諸要素を検討して東トルキスタンのキジル石窟壁画や敦煌壁画と比較し、バーミヤーン壁画の古い要素は、すでに東トルキスタン地域に存在していたものであり、アフガニスタンの7世紀以降の仏教に、中国の要素が非常に多く含まれていることも明らかにした。
 また、現地タジキスタンに赴き、ワフシュ川、カフィルニガン川流域の遺跡および6〜8世紀に発展し、世界史上重要な役割を果たしたソグド地域の諸遺跡を見学して、その出土遺物を調査した。
 これらの調査から、西トルキスタンの仏教遺跡は1〜4世紀に属するものと、6〜8世紀に属するものとに二分されることが明らかとなり、さらに後半の時期に属する仏教遺跡については、中国西域からの文化的影響を無視することができないということが判明した。これは、6〜8世紀の中央アジア(特に西トルキスタン)仏教のあり方に関するこれまでの観念に変更を迫るものであると考えられる。

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