文部科学省(基盤研究(A) 海外学術 宗教学)
〔2004〕
(1)イスラエル国エン・ゲヴ遺跡における発掘調査
2004年7月30日〜8月29日,ガリラヤ湖東岸エン・ゲヴ遺跡において発掘調査と遺跡保存作業を行った。発掘調査はこれまで継続してきたケースメット市壁北端のタワーと下層の列柱式建物の構造調査を中心に行った。発掘調査は今年度の第8次調査で終結するため、イスラエル考古局の指導の下で遺構の保存作業を行い、発掘に協力いただいたキブツ・エン・ゲヴの観光資源として利用できるように、リーフレットや説明板などの作成を進めている。
2005年3月23日〜31日,夏期調査で行うことが出来なかった遺物の実測および撮影を行った。
(2)イスラエル考古学研究会の創設および開催
2005 年3月4日,イスラエル考古学研究会を創設し、第1回の研究会を立教大学において開催した。研究協力者の宮崎修二(立教大学講師)から鉄器時代の編年に関するイスラエルの研究動向報告、巽善信(天理大学附属天理参考館学芸員)から日本隊が発掘したテル・ゼロールの出土遺物の整理状況に関する報告があり、イスラエルの最新の研究とイスラエルにおける日本隊の発掘史を確認した。
(3)チュニジア共和国およびイタリア共和国におけるキリスト教遺跡踏査
2004 年8月27日〜9月12日,研究分担者名取四郎が,イスラエル国ガリラヤ湖周辺の古代ヘレニズム・ローマ都市との比較研究を目的として,チュニジア共和国およびイタリア共和国の古代都市踏査を実施した。地中海古代都市の地誌上の諸問題、ならびに古代都市における教会堂の配置の問題を実地調査し,後期古代, 初期中世,中世ビザンティン時代の都市史の写真資料および文献資料を収集した。
(4)ギリシア共和国におけるキリスト教遺跡踏査
2004 年11月1日〜8日,研究分担者佐藤研が,イスラエル国ガリラヤ湖周辺で成立したキリスト教の西方への伝播をパウロの伝道を中心に検討することを目的として,ギリシア共和国の古代都市踏査を実施した。パウロが伝道したギリシア都市の地誌上の諸問題および教会遺構の残存状況を実地調査し,各都市の写真資料および文献資料を収集した。
(5)デカポリス研究会の開催
2004年12月11日,2002年度のヨルダン調査から発足したデカポリス研究会を立教大学において開催した。江添誠(慶應義塾大学大学院博士課程)からデカポリス都市の成立に関する研究動向報告、高井啓介(日本学術振興会特別研究員)から上記のギリシア調査に関する報告があり、イスラエル周辺地域の都市文化を検討した。
〔2005〕
(1)イスラエル国エン・ゲヴ遺跡における発掘調査報告書作成のための会議
2005年6月30日〜7月 1日,エン・ゲヴ遺跡発掘調査に関して、最終報告書の構成を確認、決定した。イスラエルの研究協力者モシェ・コハヴィ教授の発題(Where is Aphek of I Kings 20 and II Kings 13?)に基づき、エン・ゲヴとアフェクの同定をめぐって、意見交換を行った。
(2)イスラエル考古学研究会の開催
2005 年11月11日,第3回研究会を天理大学において開催した。イスラエルより発掘調査協力者のイツィク・パズ氏を招聘し、青銅器時代のガリラヤ地方に関しての講演を行った。あわせて、研究協力者の牧野久実(滋賀県立琵琶湖博物館主任学芸員)からガリラヤ湖の水運に関する報告、越後屋朗氏(同志社大学神学部教授)からメギド遺跡の年代決定に関する報告、研究分担者の桑原久男氏(天理大学文学部助教授)よりレヘシュ調査の概要に関する報告があり、イスラエルの最新の研究とイスラエルにおける日本隊の今後の発掘の方向性について確認した。
2005年12月23日、第4回研究会を八王子市北野台南部会館において開催した。研究代表者月本昭男が下ガリラヤにおけるイスラエル部族時代の研究成果を報告した。
(3)エン・ゲヴ遺跡発掘調査に基づく学会発表
2005年10月29日,九州大学にて行われた日本オリエント学会第47回大会にて研究分担者の杉本智俊氏(慶應義塾大学文学部助教授)が「エン・ゲヴ遺跡の成立年代」という題で学術発表を行った。
(4)デカポリス研究のための講演会の開催
2005年12月17日,立教大学において、F・ヒュッテンマイスター氏(チュービンゲン大学)による公開講演会を開催した。演題は「ガリラヤ地方におけるシナゴーグ」(通訳 月本昭男)。ヒュッテンマイスター滞日の間、イスラエル考古学研究会会員との学術交流を行った。
(5)デカポリス研究の学会発表
2005年10月29日,九州大学にて行われた日本オリエント学会第47回大会にて研究協力者の江添誠氏(慶應義塾大学大学院博士課程)が「ポンペイウスの東方遠征とデカポリス」という題で学術発表を行った。
イスラエル国ガリラヤ湖周辺地域の宗教文化に関する総合研究 2
- 事業名称
- イスラエル国ガリラヤ湖周辺地域の宗教文化に関する総合研究 2
- 実施地域・国
- イスラエル
- 対象とする文化遺産の名称
- エン・ゲヴ遺跡
- 地域
- 中東
- 事業実施機関
- 立教大学
- 期間
- 2004年 ~ 2005年
- 協力の種類・事業区分
- 意識啓発・普及活動、 学術調査・研究
- 資金源
- 科研費