「熊野縁起絵巻」は、中国宮廷内での確執を避け、大王と王子達一族が日本に飛来し、熊野三山の諸社に祭られたという奇異な物語を描いたもの。
作者は特定できないが、画法から推測すると17世紀初期の狩野派の画風を学んだ作家と思われる。「熊野縁起」を主題とした絵巻物としては現存する最古の作品であり、芸術的・歴史的価値の高い貴重な作品である。
3巻とも大小の折れと破損傷が甚だしく、旧修理方法が不適切であったため損傷が進んでいる。特に、巻首、巻末部の損傷が次第に悪化しており、直ちに恒久的修復作業が求められている。修復は米国にて行われる。
米国NYバーク財団所蔵「熊野縁起絵巻」(3巻)の修復
- 事業名称
- 米国NYバーク財団所蔵「熊野縁起絵巻」(3巻)の修復
- 実施地域・国
- アメリカ合衆国
- 対象とする文化遺産の名称
- 米国NYバーク財団
- 地域
- 北米
- 事業実施機関
- メアリー・アンド・ジャクソン・バーク財団
- 期間
- 2010年 ~ 2012年
- 協力の種類・事業区分
- 保存修復
- 資金源
- 民間財団