第5回シルクロード世界遺産シリアルノミネーションに関する調整会議

事業名称
第5回シルクロード世界遺産シリアルノミネーションに関する調整会議
実施地域・国
複数国/地域横断
地域
アジア
事業実施機関
ユネスコ
期間
2018年12月 ~ 2018年12月
協力の種類・事業区分
資金提供
資金源
UNESCO 日本信託基金

活動内容

2018年12月4-5日に掛けて、アシュガバード(トルクメニスタン)にて第5回シルクロード世界遺産シリアルノミネーションに関する調整会議が開催された。同会議は、世界遺産シルクロードの推薦書を複数国間で調整作成するために設立されたもので、UNESCO日本保存信託基金(「ユネスコシルクロード支援事業」)の活動の一環として、開催されている。「ユネスコシルクロード支援事業」は、本来は中央アジア諸国への、考古学的遺跡・建築物サイトのドキュメンテーション及び保存、人材育成分野での支援を主眼に置いた事業であり、現在はその事業の2期目(2014年からの4年間)+延長1年の段階にある。
同調整会議は2008年から約2年に一度のペースで開催されており、今回はその5回目にあたる。当初中央アジアの諸国を中心に会議が開催されてきたが、参加国も増え、UNESCOとIICC -Xianのほか、日本、中国、イラン、キルギス、ネパール、パキスタン、ロシア、ウズベキスタン、トルコ、アフガニスタン、カザフスタン、トルクメニスタンからの代表が本会議に出席した。なお、日本からは発表者(山田)のほか、ドナー国の代表として在トルクメニスタン日本大使館 近藤俊介参事官が出席した。

会議の概容は以下の通りである。
アフガニスタン、パキスタン、日本を除き、自国の資産の状況について報告があった。共同議長のZhuo Zhanおよびインド代表が欠席したことで海のシルクロードに関する発表が省かれ、特筆すべき議論には至らなかった。会議の最終セッションで調整の上、決議書が採択された(第4回までは合意書[agreement]であったが、本会議では決議書[decision]とした)。

会議の結論として、特に以下の2点を記す。
1) 現在の共同議長が高齢であることから新たな共同議長を2名選出することになった。議論の結果、二人のCo-chairの内、1名がAmanbaeva Bakyt(キルギス、国立科学アカデミー歴史文化遺産研究所文化遺産センター長)、もう一人がLyu Zhou(中国、清華大学教授)が選ばれた。任期は2年。

2) 次回の調整会議の開催地としてイランからの立候補があり、来年の秋頃にイランのいずれかの都市で行うことが提案された。

調整会議の課題および今後の展望としては以下の点が挙げられる。

1) 中央アジア諸国への支援、および既存の世界遺産リスト記載(または暫定)遺産の保全:
 今回の会議では、自国のシルクロード構成資産を新たに世界遺産登録することを目的とする国々(トルコやロシア、アゼルバイジャン、イラン、ネパール、パキスタン)からも参加があり、調整会議の中心的議題が中央アジアだけではなくなってきた(中央アジアの存在感の希薄化)。
また、新規遺産の登録(中央アジア各国が登録を推進する「シルクロード:フェルガナ-シルダリア回廊(仮称)」)が議論に中心になりがちであるが、既存の遺跡(2014年に世界遺産リスト登録された「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」の構成資産)の保全の問題は依然として残っており、中央アジア諸国からは、研修事業継続の要望があった。

2) 調整会議に係る継続的な予算措置:
来年の秋に調整会議がイランで開かれることが提案されたが、中央アジア諸国参加者への航空券等含め、コーディネーション費のことは現時点では検討されていない。継続的な会議開催予算措置については今後の検討が必要。

3) 各国の動向を一覧できる基本的な情報の整理:
ロシア、トルコ、イランにおいては、国内の資産としてはシルクロード関連資産を暫定リストにすでに加えられていることを示したが、シルクロード全体として各国の状態を一覧できる状況にはなっていない。IICC-xianも各国内の暫定リスト記載状況を把握できておらず、まずは、これを一覧できる資料が必要である。

4) 海のシルクロードに関する議論:
中国・インドネシア・オマーン・インドが世界遺産登録を目指している「海のシルクロード」が大きな話題の一つとなるはずだったが、議論を主導するはずのインドが欠席したため、進展がなかった。中国はすでに自国の港湾遺跡をはじめ、候補の遺産をリストアップしており、また、それらがどのようなクライテリアに基づいて選ばれているのかが会議で発表された。但し、中国が登録プロセスの中心的な役割を担うという動きはまだなく、今後どの国がイニシアチブを取っていくか現時点では不明。複数の国々を跨ぐ「海のシルクロード」の実質的な登録プロセスに入るにはハードルが高く、まずは学術ベースで進めることが肝要という認識が参加者に共有された。

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