異なる気象条件下における不動産文化財の発掘技術及び保存に関する調査研究(2001年度)

事業名称
異なる気象条件下における不動産文化財の発掘技術及び保存に関する調査研究
実施地域・国
複数国/地域横断
地域
複数地域・国などにまたがる協力
文化遺産の分類
考古遺跡
事業実施機関
奈良文化財研究所
期間
2001年 ~ 2001年
協力の種類・事業区分
人材育成、 保存修復、 学術調査・研究
資金源
独立行政法人(JICA除く)

活動内容

日本国内とは大きく異なる環境条件のもとに位置する古代遺跡の発掘調査、および保存修復に関する調査研究をおこなった。カンボジア・アンコール遺跡に関連するタニ窯遺跡群の発掘調査・研究、チリ領・イースター島におけるモアイ石像をはじめとした石造文化財に関する調査研究を実施した。アンコール文化遺産保護に関する研究協力の一環として実施してきたタニ窯跡の発掘調査は最終年度を迎え、遺物の整理を重点的に実施 している。特に、次年度にはタニ窯 跡の保存展示のための整備を計画しており、その方策の検討をおこなった。また、若手研究者の人材育成の事業を継続的に実施しており、今年度は3名の研究者を招聘し、遺跡の発掘調査、その保存整備と活用に関する技術的研修、さらに遺物保存の科学的手法の研修をおこなった。
チリ、イースター島におけるモアイ石像の保存に関する研究は、チリ国立文化財保護センターと共同で進めており、火山性凝灰岩の試験体を各種の保存材料で強化し、現地で暴露実験を実施中であり、その経過観測を実施した。特に、暴露試験試料の経年変化にともなう密度、比重、および含水能力の低下、表面の粗さ程度、圧縮強度、保存材料の劣化等に関する分析・測定をおこなった。その成果については、岩盤力学学会にて口頭発表している。また、現地では気象観測を継続して実施しており、データの収集をはかっている。他方ユネスコが実施予定のモアイ石像 (テピトクラ遺跡)の補修の際に、我々が実施中の暴露試験の成果を生かし修復事業に協力する予定である。

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