本研究は南アラビアのハドラマウト地方(イエメン共和国東部)の民家に所蔵されている民間文書を発掘し、外部に公開することを目的としている。ハドラマウトはアラブ・イスラーム圏という、いわば文明の中心の一つを構成するものの、さまざまな意味で周縁地域と考えることができ、現在に至るまで本格的な文書収集作業が行われていない。また、歴史的な経緯からこの地方は東南アジア、インド、東アフリカなどインド洋沿岸諸地域の一部と見ることもできる。このように重層的な周縁性を持つ地域の民間文書を発掘・精査することは、そのままインド洋の歴史をひもとくことにもなる。文書の収集はハドラマウトに住む二人の名望家を中心として行い、最終的には収集した文書のうち重要なものを校正し、注釈と英訳をつけた形で影印本を出版する。また同時に、文書の複写を地元の私設文書館において公開する。
民家の物置からインド洋を眺める -イエメン、ハドラマウト地方における民間文書の保存、公開
- 事業名称
- 民家の物置からインド洋を眺める -イエメン、ハドラマウト地方における民間文書の保存、公開
- 実施地域・国
- イエメン
- 地域
- 中東
- 事業実施機関
- 東京外国語大学
- 期間
- 2007年 ~ 2007年
- 協力の種類・事業区分
- 資金提供、 学術調査・研究
- 資金源
- 民間財団