イラン、マルヴ・ダシュト盆地における新石器化の考古学的研究

事業名称
イラン、マルヴ・ダシュト盆地における新石器化の考古学的研究
実施地域・国
イラン・イスラム共和国
地域
中東
文化遺産の分類
考古遺跡
事業実施機関
独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所
期間
2010年 ~ 2012年
協力の種類・事業区分
学術調査・研究
資金源
科研費

活動内容

【目的】
「肥沃な三日月孤」は農耕・牧畜の起源地として知られ、多くの調査団が発掘を行ってきた。発掘調査は、長年、政局が安定した肥沃な三日月孤の西翼を中心に行われ、結果、農耕・牧畜はこの西翼に起源したとする学説が形成された。対照的に、肥沃な三日月孤の東翼をなすザグロス山脈の調査は不安定な政局を受け停滞し、この地域が新石器化に果たした役割は小さいと考えられてきた。しかし、近年の遺伝子研究は、農耕・牧畜はザグロス山脈でも独自に開始された可能性があることを示し、この地域における考古調査が求められている。本研究は、ザグロス山脈最大の盆地マルヴ・ダシュト盆地を対象に、研究の空白地域であったザグロスにおける新石器化を研究する。

【成果】
2011年度:事業の初年度は、2009年、2011年にテヘラン大学が発掘したラハマタバード遺跡出土の考古資料の分析を行った。分析の結果、ザグロス地域に続旧石器時代以降連綿と続いた細石刃・細石器伝統が、土器新石器時代後半のジャリ期に、終焉したことが判明した。細石刃・細石器伝統は明らかに狩猟と結びついており、ジャリ期に本格的に灌漑農業、ヤギ・ヒツジ飼育が開始したことにより、この伝統が終焉したと予想された。

2012年度:今年度は、2009(平成21)年、2011(平成23)年にテヘラン大学が発掘したラハマタバード遺跡から出土した資料と2012年にテヘラン大学が発掘したカッスル・アハマド遺跡から出土した資料の分析を行った。昨年度の研究の結果、ザグロス地域に続旧石器時代以降連綿と続いた細石刃・細石器伝統が、土器新石器時代後半のジャリ期に終焉したことが判明していた。細石刃・細石器伝統は明らかに狩猟と結びついており、ジャリ期に本格的に灌漑農業、ヤギ・ヒツジ飼育が開始したことにより、この伝統が終焉したと予想された。今年度の研究は、昨年度のこの見通しを裏付けるものとなった。

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