チェルノブイリ事故で汚染された地域は元来ポレシアと呼ばれ、スラブ民族の故地である(日本の奈良や「やまと」に相当)。原発事故は生活だけでなく古来の民俗文化も破壊しつつある。近年、現地の人類学者は同地の文化財蒐集に取組み、避難者の語りを基に説話や方言等を採録している。そこでの重要な知見は、避難者が自らの言葉で自らの生活や故郷を語ることが心の癒しに繋がるという事実である。福島原発事故で深刻な汚染を受けた福島県東部は豊かな地域文化を持ち、住民の精神的な誇りであった。有機自然農法や生産緑地運動も盛んで、都会人も惹きつけていた。いまそれらは事故と避難により突然失われたが、避難民を取り込む地域文化の保全活動が避難者の精神的支えや心の治癒に繋がるとの報告がある。本研究では、ウクライナの実践的知見に学びつつ、福島原発避難者から地域の豊かな生活文化や生態との係り、及び自分史の聞き取りを行なう。知見をモデル化し、大規模災害からの地域再生の理念と実践につながる新しいヴィジョンを、未曾有の災害を受けた二つの地域が連携して世界に発信する。
放射能汚染地域の文化保全と避難者の心の救済 ―チェルノブイリと福島
- 事業名称
- 放射能汚染地域の文化保全と避難者の心の救済 ―チェルノブイリと福島
- 実施地域・国
- ウクライナ
- 地域
- 欧州
- 文化遺産の分類
- 無形遺産
- 事業実施機関
- 北海道大学スラブ研究センター
- 期間
- 2013年 ~ 2013年
- 協力の種類・事業区分
- 資金提供
- 資金源
- 民間財団