カンボジアにおける文化協力
事業の経緯
カンボジアにおいては1992年の内戦完全終結を受けて国内の復興が進むにつれ、アンコール遺跡群の保存修復が急務となった。当該遺跡群は1992年に世界遺産に登録されると同時に危機遺産にも登録された。国際的な協力を得て1993年から各国がアンコール遺跡群の保存と修復を開始しました。奈良国立文化財研究所も1993年から文化庁の委託を受けて人材養成を中心とした共同研究事業を開始し、独立行政法人となった後も、研究所独自の国際協力事業として事業を調査修復に拡大して継続している。
遺跡の概要
アンコール遺跡群はカンボジア北西部に位置し、中心に位置するアンコール・ワットやアンコール・トムが有名である。本事業においては当初バンテアイ・クデイ遺跡での調査を行っていたが、タニ窯跡群の調査保存事業を経て、2001年からアンコール・トム内西トップ遺跡の調査を開始した。西トップ遺跡では9世紀末の碑文が発見されているが、調査によって14世紀から15世紀に今見る形になったと考えられている。2011年からの第3次中期計画では南祠堂の解体修復を開始し、現在下成基壇の解体を進めている。