元日本人町のあった海のシルクロードの国際貿易港・ベトナム ホイアン
ベトナムのホイアンは、大航海時代に海のシルクロードの結節点として東洋と西洋を結ぶ中継貿易港として繁栄した町です。当時のホイアンには、ポルトガル・オランダ商館、中国人町、日本人町があったとされ、日本の御朱印船が最も頻繁に訪れた港でもあります。その後、繁栄の中心は河川港ホイアンから湾港ダナンへと移りますが、逆に、このことが幸いして、繁栄の中で蓄積された木造技術による華麗な彫刻を施した木造町家群が後世に残る要因となりました。また、ツボン川に平行する東西の2本の通りを中心とする旧市街の町並みはベトナム戦争の戦禍からは幸いまぬがれましたが、戦後の貧困で建て替えもできず多数の伝統家屋が崩壊寸前で残存していました。このことから、ベトナム政府は日越交流の象徴として国交再開に際し、木造文化財保存に実績のある日本の協力を強く求めてきました。