日中共同研究の経緯
平成2年(1990)年12月26日、東京国立文化財研究所(当時)と敦煌研究院との間で第1期「敦煌莫高窟第194、53窟の保護に関する日中共同研究」のための合意書が調印され、以来4期15年にわたって共同研究が実施されてきた。これは、昭和59年(1984)9月25日に、当時の安倍晋太郎外務大臣と呉学謙中国外務大臣との会談において「敦煌を含む中国の文化財保護についての日中協力」の基本合意がなされ、さらに翌昭和60年(1985)7月に開催された「日中文化交流政府間協議」において「日中両国で敦煌文化財の保存修復に関する調査研究の推進」が確認されたことに始まるものである。その後予備的調査を繰り返しつつ共同研究の体制を整え、昭和63年(1988)からは実質的な共同研究が始められた。そして平成2年になって、東京国立文化財研究所を担当機関とする正式の共同研究事業がスタートした。第4期「敦煌莫高窟第194、53窟の保護に関する日中共同研究」が平成18年3月をもって終了し、同19年度から第5期として、新たに名称を変更した「敦煌莫高窟の保護に関する日中共同研究」が始められることになった。