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第24回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「文化遺産とSDGs」を開催しました(2019.02.12)

文化遺産国際協力コンソーシアムは2019(平成31)年1月11日(金)、東京文化財研究所セミナー室にて、第24回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「文化遺産とSDGs」を開催しました。

「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」は、2015年9月に国連総会で採択されて以来、今日まで世界のあらゆる国が目指し、達成すべき国際目標として、具体的な取組や活発な議論が進められてきました。その対象は、貧困、飢餓や気候変動への対策のみならず、教育やジェンダー、イノベーションなど広範に及びますが、掲げられた17の持続可能な開発のためのグローバル目標の中には「文化」というキーワードは明確には示されておらず、文化遺産国際協力に関連する項目は、169項目のターゲットの中で書き込まれています。

この研究会は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の基本的な理解を深めるとともに、特にどの程度達成されているかを数字で測ることが難しい文化遺産に関する取組について、指針作りや国際協力の事例を紹介することによって、文化遺産とSDGsについて多角的な視点から考察を行うことを目的として開催されました。

初めの講演では、佐藤寛氏(アジア経済研究所上席主任研究員)に、SDGsを理解するためのお話をしていただきました。SDGsの思考の枠組みを「世界の変態」(transform)を志向するものとしたうえで、目標群の具体的な分析や、日本におけるSDGsと国際協力の流れを整理し、SDGsをめぐるアクターの現状把握等を通じて、参加者が文化遺産とSDGsについて考えるための基礎的な情報が提示されました。

続く講演では、浦野義人氏(独立行政法人国際協力機構特別嘱託)をお迎えし、国際協力機構(JICA)が国連世界観光機関(UNWTO)と共同で実施した調査の概要についてご紹介いただきました。SDGs達成に資する観光開発支援とはどのようなものなのかを問うため、実際に行われた調査・分析の手法や結果が紹介され、指針作りの試みについても説明されました。最後に、我々が文化遺産においてSDGsをどう活用していくのかという問いかけもなされました。

最後の講演では、關雄二氏(国立民族学博物館副館長/人類文明誌研究部教授)より、研究者としての立場から、長年携わってきたペルー・パコパンパ遺跡の保存と活用の事例が報告されました。その中で、このプロジェクトを通じ、遺跡という有形の文化遺産の保護をどのようにコミュニティ開発につなげるか、そのための支援の在り方はどのようなものかが具体的に示されるとともに、併せて住民自らが村に伝わる無形文化遺産を再発見し、自らのイニシアティブで活用できるような取り組みがなされていることが紹介されました。

パネルディスカッションでは、これまでの登壇者に加え、パネリストとして竹本和彦氏(国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)をお迎えし、關雄二氏の司会のもと活発な議論が展開されました。それぞれの立脚点より、文化遺産とSDGsの関係性や課題が整理され、日本の事例紹介や人材育成の課題、途上国の問題や経済的影響など、多岐にわたる話題が展開されました。今後、我々が世界共通言語としてのSDGsにどのように向き合っていくのか、引き続き議論を行っていく意義についても再確認されました。

当日は定員を超える申込みをいただき、急遽サテライト会場を設けて129名の方にご参加いただきました。

研究会開催に際し、ご協力くださいました関係者の皆様、ならびにご参加くださいました皆様に御礼申し上げます。

 ※プログラムや開催概要はこちらをご覧ください。

 

 

 

 

【写真説明】(上から)

1:青木繁夫氏による開会挨拶・趣旨説明の様子

2:佐藤寛氏による講演の様子

3:浦野義人氏による講演の様子

4:關雄二氏による講演の様子

5:パネルディスカッションの様子

6:パネリストの竹本和彦氏

7:泉拓良氏による閉会挨拶

8:登壇者集合写真

 

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