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日本イコモスEP主催 オーセンティシティに関する連続研究会(第2回) 『被災文化遺産を通してオーセンティシティを考える』

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開催日時: 2023年6月11日(日)13:00〜15:00

趣旨:オーセンティシティに関する連続研究会の2回目は、第1小員会(憲章小委員会)と共同開催とし、被災建造物の再建におけるオーセンティシティを考える機会とします。
 オーセンティシティは、文化財に関するどの国際規範を理解する上でも欠かせない視点で、早くは1965年のヴェニス憲章の前文に“It is our duty to hand them on in the full richness of their authenticity.”と記されています。第二次世界大戦で傷つき或いは戦後の復興や開発で危機に瀕した建造物や遺跡を守るにあたり、その歴史的・文化的価値の信頼性を確認するための理念として掲げられたこの言葉は、特に世界遺産の普及と共に様々な国や地域の多種多様で多数の文化遺産に適用されるようになりました。
 遺産保護を巡る状況がヴェニス憲章作成当時から大きく変化したことで、奈良ドキュメントにみられる様にオーセンティシティの理念に関する見直しが図られ、現在もその途上にあると言えます。材料の観点においては、作成当時主対象としていた石材だけでなく、土、木や草、鉄やガラス、コンクリート等、保存対象となる材料や伝統技術が多様化しています。遺産の範囲も単体から集落・都市、文化的景観へと広がり、生活や産業、信仰や慣習等との関係性が深まる中では、地域や民族のアイデンティティといったソフトな視点から有形文化遺産のオーセンティシティを捉える必要も高まっています。
 オーセンティシティの解釈の探求は、文化遺産とそれを取り巻く社会の動向に即して尽きることのない作業です。近年では、自然災害や火災で被災したものの復旧におけるオーセンティシティの考え方も論点の一つとなっています。
 この課題について、『ICOMOS Guidance on Post Trauma Recovery and Reconstruction』のとりまとめを先導されると共に、ノートルダム寺院と首里城の修復に係るシンポジウムを開催した国際イコモス名誉会長河野俊行先生から、その被災が所有者や地域社会にも大きな影響を及ぼした文化遺産、いわゆるポストトラウマ状況をもたらした文化遺産の復旧を通してオーセンティシティをどう考えてこられたか、お話を伺います。

第1回研究会: 「被災文化遺産を通してオーセンティシティを考える」

プログラム:
1)趣旨説明(5分)
EP主査 山田大樹
2)共同開催に寄せて:憲章小委員会におけるオーセンティシティの論点について(15分)
憲章小委員会 下間久美子
3)講演「被災文化遺産を通してオーセンティシティを考える」(60分)
九州大学名誉教授・国際イコモス名誉会長 河野俊行先生
4)質疑応答(40分程度)

参加方法: どなたでも自由に参加できます。(無料、ZOOM)

参加申し込み: フォームよりお申し込みください。

主催: 日本イコモスEP常置委員会

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