日本イコモスEPウェビナーシリーズ
「文化遺産にとって観光は「悪」か?-⽂化遺産の価値の保全と 観光の適切な関係性-」
趣旨
2020 年5 ⽉、「⽂化観光推進法」(※)が施⾏されました。⽂化振興を観光振興と地域活性化につなげ、これによる効果が⽂化振興に再投資される好循環を創出する事を⽬的としたこの法律を背景に、インバウンド強化事業、⽂化観光拠点施設を中核とした拠点整備事業、⽂化資源の⾼付加価値化促進事業等の推進など、様々な⽂化観光関連事業が展開されています。しかし、⽂化遺産の積極的な観光活⽤に対しては、⽂化遺産の価値や真正性(オーセンティ シティ)の保持、オーバーツーリズムによる⽂化財の消耗や環境汚染を含む地域住⺠への弊害、経済効果の地域・⽂化財への再投資の仕組みなどの観点から、懐疑的な考えを持つ⽅は依然として多いと考えられます。
⼀⽅、観光は世界の成⻑産業の1つといわれ、⽇本においても「観光⽴国推進基本法」(2007 年)の施⾏以降、⼈⼝減少時代における地⽅創⽣の切り札として観光⾏政が展開されてきました。近年では、「⽇本版 持続可能な観光ガイドライン」が策定され、観光の持続可能なマネジメント、社会経済、⽂化、環境の持続可能性(サステナビリティ)を⽬指す取組が始動しています。また、観光においては、観光資源⾃体の「真正性」よりも、観光客がそれをどうとらえるかという「本物感」が求められるという⾒⽅や、⽂化は動態的である(=変化する)とする学術的な議論もあるなど、「⽂化遺産の価値・真正性」については議論が尽きません。
本ウェビナーでは、世界農業遺産(GIAHS)・国選定重要⽂化的景観である阿蘇の草原景観、世界遺産登録を⽬指す岡⼭県瀬⼾内市のハンセン病療養所・⻑島愛⽣園、国指定名勝の柳川藩主⽴花邸「 御花」の3つの事例から、⽂化遺産の価値の保全と観光の適切なバランス・関係性について議論を⾏います。是⾮、ふるってご参加下さい!
主催
日本イコモスEP
日時
2022年7月9日(土)15:00-17:00
プログラム
15:00-15:10 趣旨説明:武藤美穂子・桑原佐知子(日本イコモス EP常置委員会メンバー)
15:10-15:30 事例1:「阿蘇の世界文化遺産としての価値と草原景観の保全について」
伊津野 博子氏(熊本県企画振興部地域・文化振興局文化企画・世界遺産推進課課長補佐)
15:30-15:50 事例2:「長島愛生園の未来 〜世界文化遺産という手段〜」
田村 朋久 氏(長島愛生園歴史館主任学芸員・長島愛生園歴史館事務局責任者)
15:50-16:10 事例3:「藩主の末裔が営む宿が挑戦する「文化観光」~受け継がれる歴史と文化財で織りなす高付加価値プラン~」
立花 千月香 氏(株式会社御花 代表取締役社長)
16:10-16:35 提案型グループディスカッション
16:35-16:55 グループ発表
16:50-16:55 講評:宗田 好史氏(関西国際大学国際コミュニケーション学部観光学科、ICOMOS International Cultural Tourism Committee(ICTC)日本代表)
16:55-17:00 閉会
開催方法
Zoomミーティング(先着45名、事例紹介・提案型グループディスカッション)
参加費
無料・事前申込制
申込締切
7月6日(水)までにフォームよりご登録ください。
注意事項
※非会員の方もご参加いただけます。
※お申込みいただいた方へ、前日までにZoomミーティングのリンクをお送りいたします。
※Zoomへの入室時、お名前はフルネームでご設定ください。
※講演中は、ビデオとマイクはオフにしていただくよう、お願いいたします。
※グループディスカッションでは、お顔とお名前がわかるよう、ビデオとマイクはオンにしてご参加ください。
※本研究会は録画・録音いたしますので、予めご了承ください。
※ディスカッション形式のため、登録後に欠席されることになった際には下記の連絡先にご一報ください。
問い合わせ先
日本イコモスEP icomosjapan.epwebinar@gmail.com