開催趣旨
近年、社会構造の変化や環境問題の深刻化とともに、世界各国の文化遺産を取り巻く状況も大きく変容しつつあり、東アジア各国においても文化遺産政策のあり方を見直す動きが見られるようになっています。具体的には、文化遺産保護と地域社会・経済との調和や従来保護の対象とされてこなかった多様な文化遺産への関心の高まりといった、既存の保護の枠組みでは対応しきれない課題に対して、制度改革を通じた柔軟かつ実効的なアプローチが模索されてきました。
本研究会では、ここ10年間に相次いで文化遺産に関する政策の転換が図られた東アジアの3か国、日本・中国・韓国の事例を取り上げ、いかなる社会的背景や政策的課題に直面し、どのような制度的対応を行ってきたのかを議論します。とくに共通の課題に対する取り組みを通じて相互理解を深めるとともに、各国が進める文化遺産国際協力の最新状況についても情報共有する場となることを期待します。
プログラム
13:00-13:10 開会挨拶・趣旨説明
小嶋 芳孝 (文化遺産国際協力コンソーシアム東アジア・中央アジア分科会長 / 金沢学院大学 名誉教授)
13:10-13:50 講演1
日本の文化財保護政策と文化遺産国際協力
塩川 達大 (文化庁文化資源活用課 課長)
13:50-14:30 講演2
中国における文物保護法の改正及び文化遺産国際協力の現状
杜 暁帆 (復旦大学文物与博物館学系 教授)
休憩(10 分)
14:40-15:20 講演3
国家遺産基本法と国家遺産体制への転換
ベク・ヒョンミン (国家遺産庁革新行政担当官室 行政事務官)
※韓国語による講演 (逐次通訳あり)
15:20-15:40 講演4
国家遺産庁の国際協力
パク・ヒョンビン (国家遺産庁遺産政策局国外遺産協力課 課長)
休憩(10 分)
ディスカッション
15:50-16:55
モデレーター : 海野 聡 (東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授)
コメンテーター : 八並 廉 (九州大学法学研究院国際関係法学部門 准教授)
パネリスト : 上記登壇者+友田 正彦 (文化遺産国際協力コンソーシアム事務局長 / 東京文化財研究所 副所長)
16:55-17:00 閉会挨拶
青木 繁夫 (文化遺産国際協力コンソーシアム副会長)
⽇時、会場、開催⽅法等
●⽇時 :2025年9⽉14⽇(日) 13:00 〜17:00 (開場 12:30)
●会場 :東京文化財研究所 地階セミナー室(東京都台東区上野公園13-43)
●定員 :対面:110名(入場無料・事前申込制)
●言語 :日本語
●主催 :文化遺産国際協力コンソーシアム、文化庁
●後援 :外務省
●本研究会は、「2025-2026日中韓文化交流年記念事業」に認定されています
申込⽅法
事前申込制。下記フォームまたはQRコードよりお申し込みください。
●申込締切 :2025年9月10日 (水)
その他
研究会終了後に報告書(講演録)を作成予定。PDF 版をコンソーシアムのウェブサイト上で公開。
後日、コンソーシアムYouTubeアカウント上でアーカイブ配信。
お問合せ先 :
文化遺産国際協力コンソーシアム事務局
独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所 所内
Tel: 03-3823-4841
Fax: 03-3823-4027
E-mail: consortium_tobunken@nich.go.jp