開催趣旨
近年、紛争による被害が文化遺産にも及び、その甚大な影響が地域社会だけでなく国際的にも深刻な課題となっています。文化遺産は国や地域の歴史を象徴する存在であり、人道支援と同様にその保護と復興は国際社会における共通の責務と言えます。
本シンポジウムでは、国の復興や社会の再建における重要なカギとして文化復興の意義を改めて強調することを通じ、復興支援のパッケージの中に有形・無形の文化遺産保護分野の支援が不可欠な要素として位置づけられるべきとの認識を醸成することを目的とします。一方で、紛争後も政治的に対立する勢力が存在するとき、完全に中立な支援は現実には困難であり、守るべき文化遺産の選択自体も普遍的ではありえません。紛争が世界各地で続き、国際社会のメカニズムが流動化する今日の状況下における文化遺産国際協力のあり方について考える機会といたします。
プログラム
13:00-13:05 開会挨拶
● 關 雄二 (文化遺産国際協力コンソーシアム 会長 / 国立民族学博物館 館長)
13:05-13:15 趣旨説明
● 山内 和也 (文化遺産国際協力コンソーシアム 西アジア分科会長 / 帝京大学文化財研究所 所長)
13:15-13:45 基調講演「紛争からの復興と文化遺産:国際社会の役割とは」
● 星野 俊也 (国連システム合同監査団 監査官 / 大阪大学 名誉教授 / 元国連日本政府代表部大使)
13:45-14:15 講演1「日本の中東外交と文化遺産の保護」
● 松本 太 (一橋大学 国際・公共政策大学院 教授 / 前駐イラク大使 / 元駐シリア臨時代理大使)
-----休憩15分-----
14:30-15:00 講演2「カンボジアにおける遺跡保存と地域発展」
● 下田 一太 (文化遺産国際協力コンソーシアム 東南アジア・南アジア分科会委員 / 筑波大学芸術系 教授)
15:00-15:30 講演3「パルミラ遺跡の破壊を契機とするシリア人人材育成と遺跡復興に向けた活動」
● 西藤 清秀 (文化遺産国際協力コンソーシアム 運営委員 / 奈良県立橿原考古学研究所 技術アドバイザー)
-----休憩15分-----
15:45-16:55 パネルディスカッション
● モデレーター: 清岡 央 (読売新聞東京本社 論説委員)
● コメンテーター: 關 雄二
● パネリスト:上記登壇者
16:55-17:00 閉会挨拶
● 岡田 保良 (文化遺産国際協力コンソーシアム 副会長 / 日本イコモス国内委員会 委員長)
⽇時、会場、開催⽅法等
●⽇時 2025年11⽉30⽇(日) 13:00 〜17:00 (開場 12:30)
●会場 東京大学 弥生講堂 一条ホール (東京都文京区弥生1-1-1 「東大前」駅より徒歩 1 分)
●開催方法 対⾯開催/オンライン配信(YouTube)
●定員 対面:250名(入場無料・事前申込制) オンライン:無制限(事前申込制)
●言語 日本語
●主催 文化遺産国際協力コンソーシアム、文化庁
●後援 外務省、国際協力機構、国際交流基金、日本イコモス国内委員会
申込⽅法
事前申込制。下記フォームまたはQRコードよりお申し込みください。
●申込締切 :2025年11月21日 (金)
その他
シンポジウム終了後に報告書(講演録)を作成予定。PDF版をコンソーシアムのウェブサイト上で公開。
後日、コンソーシアムYouTubeアカウント上でアーカイブ配信。
お問合せ先 :
文化遺産国際協力コンソーシアム事務局
独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所 所内
Tel: 03-3823-4841
E-mail: consortium_tobunken@nich.go.jp