文化遺産国際協力コンソーシアム Japan Consortium for International Cooperation in Cultural Heritage JCIC-Heritage logo JCIC-Heritage

タニ窯跡群保存整備事業

From the Study of the Tani Kiln Sites to the Conservation of Prasat Top West タニ窯跡群保存整備事業

奈良文化財研究所

カンボジア王国

タニ窯跡

1996年〜2001年 意識啓蒙・普及活動,マスタープラン作成
2009/03/01
NEXT

BACKGROUND背景

カンボジアにおける文化遺産保護

 カンボジアは東南アジア半島部のほぼ中央に位置し、東はベトナム、西はタイ、北はラオスと接する。アンコール文化遺産は802年から1431年までのクメール文化期に建造された石造物群を中心とする遺跡である。時代の変遷による王都の移動によって、いくつかの群に分けられるが、なかでも12世紀中頃建立のアンコール・ワットを中心とする一群が最も著名である。遺跡は砂岩とラテライトによって構成される石造建造物群が中心となり、アンコール・ワットやアンコール・トム、バイヨンが有名である。近年、これら石造建造物だけでなく、木造建造物の痕跡や道路や水路等も発見されてきている。
 アンコール文化遺産は、1960年代より続く内戦の混乱によって維持管理の手が及ばなかったため、多くの遺跡で劣化崩壊が進んでいる。さらに内戦による遺跡保存官など遺産保護に当たる人材の激減や、政府機関の未整備と言った問題を抱えていた。内戦終結を受けて国際的な協力の下にこれら問題の解決と文化遺産保護を進めることが議決され、ユネスコを中心に各国の支援が進んでいる。

                            発掘されたタニ窯跡

ACTIVITIES活動内容

奈良文化財研究所のカンボジアでの活動

 カンボジアでは長らく続いた内戦が1992年のパリ平和協定によってようやく終結し、内戦の間、維持管理の手が及ばなかったアンコール文化遺産の保護と調査が急務とされた。翌1993年の東京会議によって、アンコール文化遺産の救済に各国が協調して当たることが決定され、日本も文化庁を中心とする事業を立ち上げた。当該事業の実施機関となった奈良国立文化財研究所(当時)では現地保護機関との共同研究の形で事業を開始した。
 当該事業は1992年に世界遺産に指定されたアンコール文化遺産を対象としている。アンコール文化遺産には大小2000以上の遺跡が含まれ、フランスをはじめとする各国が修復に乗り出している。当初上智大学の協力を得てバンテアイ・クデイで調査を開始し、1995年に発見されたタニ窯跡群の調査を2000年まで行った後、西トップ寺院に対象を定め現在2010年までの第2フェイズの途上にある。

                アンコール・トム都城に位置する西トップ寺院

RESULTS結果

今後の展開

 現在西トップ寺院の調査研究プロジェクトは第2フェイズに入っている。これまでは調査を中心とする事業を展開してきたが、研究所が日本の都城遺跡で培ってきた調査から修復・活用へ至る総合的な遺跡学のカンボジア現地への応用を試みたいと考えている。今後、西トップ寺院の修復と活用計画についても研究を進めるとともに、2011年からの第3フェイズにおける具体的な活動の方向性を,研究所のみならず、現地で活動する各国の調査修復チームや、日本の各種団体とも協議の上、固めていきたいと考えている。

                西トップ寺院発掘調査の様子

MAP地図