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アジア太平洋地域 世界遺産等文化財保護協力推進事業

Project for the Promotion of Cooperation for the Protection of World Heritage and Other Cultural Properties of the Asia-Pacific Region アジア太平洋地域 世界遺産等文化財保護協力推進事業

ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所

複数地域・国

アジア・太平洋地域の文化遺産

2000年〜継続中 人材育成
2015/03/01
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BACKGROUND背景

文化遺産の保護に資する研修の開催にいたる背景

ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所
 ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所(ACCU奈良事務所)は、文化庁や奈良県、奈良市などの協力のもと、1999年8月に開設された。
 設立の契機は、1997(平成9)年に文化庁長官の私的諮問機関として設置された「アジア太平洋地域の世界文化遺産の保護に関する国際協力の在り方に関する調査研究協力者会議」において、日本の同地域における国際協力のあり方が検討されたことによる。この報告では、アジア太平洋地域における文化財保護協力活動を充実、強化するため、新たに「国内拠点」を整備する必要性が提議された。この提言を承け、ACCU奈良事務所は「国内拠点」としての役割を果たすために、数多くの文化遺産に恵まれた奈良の地に設けられた。

ACCU奈良事務所の人材養成
 2000年2~3月に「アジア・太平洋地域 文化遺産保護協力事業諮問会議」「アジア・太平洋地域における文化遺産保護のための研修プログラム専門家会議」を連続して開催し、ここでACCU奈良事務所が担う役割を整理し、事業の内容を具体的に検討した。その結果、アジア・太平洋地域の日本を除く44ヶ国を対象に、主として①文化遺産の保護・修復に関する情報を収集し提供する、②文化遺産の保護・修復に携わる人材を養成するとともに情報交流の機会を設ける、③文化遺産の保護に関する国際会議の開催、といった3つの事業を行うこととなった。
 これらのなかで、もっとも大きな事業は人材養成事業である。それには、各国から1名ずつ参加する集団研修、1ヶ国の2~3名を対象にした個人研修、日本から当該国に講師陣を派遣して実施するワークショップがある。

事業参加国

ワークショップ

ACTIVITIES活動内容

集団研修の概要

対象国と参加者
 集団研修は、人材養成事業の中核をなすもので、ICCROMおよび文化庁、国立文化財機構と共催で行う。アジア太平洋地域のユネスコ世界遺産条約締約国から実際に文化遺産保護を担当する者を招聘して、文化遺産の保存・修復等に関する研修を実施する。参加者の募集は、当該国のユネスコ国内委員会、あるいは文化遺産国際協力コンソーシアム事務局を通して行い、選考にあたっては、ACCU奈良事務所とICCROMのそれぞれがもつ情報を照合、協議して決定する。参加者は原則1ヶ国1名で、研修期間は約1ヶ月である。
 研修のテーマとしては「遺跡・遺物の調査と保存」と「木造建造物の保存と修復」があり、これらを隔年で実施する。2000年に始まり、これまで(2014年10月現在)に35ヶ国から224名の参加がある。

研修プログラム
 研修のカリキュラムは、講義、実習、臨地講義、討議で構成されており、ICCROMの講師による文化遺産保護の国際的な動向に関する講義と、参加者によるそれぞれの国における文化遺産保護状況の報告と討議ではじまる。その後は、日本の遺跡、あるいは歴史的建造物の特徴を活かしながら、最新の知識や技術を習得することを目的とした、実習、関連諸科学の講義、臨地講義と続く。なかでも実習は、参加者自らが実際に文化財を観察・記録するもので、本研修の大きな特徴の一つといえる。研修最終のセッションでは、ICCROMの講師による文化遺産保護の理念、将来に向けての課題等に関する講義と参加者による討論がある。また、終了後には、参加者の研修に対する評価を集計し、次の研修に活かすようにしている。

集団研修(グループ討議)

集団研修(実習)

RESULTS結果

国際交流と今後の人材養成事業

ネットワークの構築
 集団研修にはアジア・太平洋地域のさまざまな国からの参加者が一堂に会すため、この研修が参加者相互の情報交換の場になるとともに、国際交流や相互ネットワークを構築する機会にもなっている。これとは別に、これまでの研修参加者のなかから、当事務所と連携して現地通信員という形で、定期的に各国の文化財や文化遺産保護の状況等に関するレポートを提出していただき、これを年2回「インターナショナル・コレスポンデント」として発行している。

ACCU奈良事務所の人材養成事業
 ACCU奈良事務所で実施している文化遺産保護に関わる人材養成事業としては、上記の集団研修のほかに個人研修とワークショップがある。個人研修は1 ヶ国を対象に、2~3名を1ヶ月程度招聘し、その国の喫緊の課題に焦点をあてて対応することができる。これに対し、ワークショップは1ヶ国に講師陣を派遣し、現地の文化財を用い、現地の言葉で研修を行うもので、一度に多くの方の参加を受け入れることができる。
 ここで紹介したように、ACCU奈良事務所で行っている人材養成事業には、それぞれに特徴がある。これらの研修事業を組み合わせることにより、より効果的な人材養成事業となるよう心掛けている。

集団研修(実習)

個人研修

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