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敦煌壁画の保護に関する日中共同研究(第5期事業)

The Fifth Phase of Japan-China Joint Study for Protection of the Dunhuang Murals 敦煌壁画の保護に関する日中共同研究(第5期事業)

東京文化財研究所

中華人民共和国

敦煌石窟

2006年〜2010年 基礎研究,人材育成
2007/04/01
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BACKGROUND背景

日中共同研究の経緯

 平成2年(1990)年12月26日、東京国立文化財研究所(当時)と敦煌研究院との間で第1期「敦煌莫高窟第194、53窟の保護に関する日中共同研究」のための合意書が調印され、以来4期15年にわたって共同研究が実施されてきた。これは、昭和59年(1984)9月25日に、当時の安倍晋太郎外務大臣と呉学謙中国外務大臣との会談において「敦煌を含む中国の文化財保護についての日中協力」の基本合意がなされ、さらに翌昭和60年(1985)7月に開催された「日中文化交流政府間協議」において「日中両国で敦煌文化財の保存修復に関する調査研究の推進」が確認されたことに始まるものである。その後予備的調査を繰り返しつつ共同研究の体制を整え、昭和63年(1988)からは実質的な共同研究が始められた。そして平成2年になって、東京国立文化財研究所を担当機関とする正式の共同研究事業がスタートした。第4期「敦煌莫高窟第194、53窟の保護に関する日中共同研究」が平成18年3月をもって終了し、同19年度から第5期として、新たに名称を変更した「敦煌莫高窟の保護に関する日中共同研究」が始められることになった。

ACTIVITIES活動内容

敦煌壁画の制作材料、製作技法に関する総合的研究

 近年のシルクロード各地における各国・各研究機関の専門家による壁画を中心とした文化財研究の進展を念頭に置きつつ、壁画の制作材料と技法を古代のシルクロードを通じた文化交流、技法・材料の移動という観点から、敦煌壁画を総合的に理解しようとしている。これは、文化遺産国際協力センター所属の若手研究者が中核となり、外部機関の研究者を積極的に招へいして推進するものであるが、20年という共同研究の歴史を経て、日本側もパートナーとなる敦煌研究院も急速に世代交代が進んでいて、両者の若々しいメンバーによる、活気溢れた共同プロジェクトになっている。壁画そのものへの学術的なアプローチのみならず、真に文化を理解し、後世に文化財を語り継いで行くことのできる、国際性豊かな日本と中国の人材の養成こそが、第5期共同研究に与えられた重要な課題である。

                 莫高窟第285窟の調査

RESULTS結果

今後への継続性

 今回の共同研究は、壁画がその芸術的な目標を実現するためにどのような材料が選択され、どのような技法によって制作されたのかを解明することを目的としている。現在我々が肉眼で見ることのできる壁画は、制作当初の色彩から見れば大幅に姿を変えてしまったものであり、それを復元的に見ようとすることによって、これらの目的は達成される。その過程において劣化のメカニズムも解明され、長期的な保護のための方法論も考察されることになる。このように詳細で、壮大なテーマをもつ共同研究は、多くの人材が参加することによって実現されるし、そこから経験を積んだ有為な人材の成長も期待できる。今後3年の期間内においても、新しいアイディアによって、より多くの人材の参加を促していきたい。

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